アトピー性皮膚炎/アトピーのかゆみ対策・スキンケア・保湿

アトピーの治療vol.3 スキンケア

アトピーの治療の一つにスキンケアがあります。薬との併用するとより効果的です。アトピーが軽い場合、スキンケアだけでよくなります。家庭でできるお薦めの治療です。スキンケアについて詳しく説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

【第1回】ステロイド
【第2回】食事療法
【第3回】スキンケア

スキンケアとは?

かゆみを取るには皮膚を清潔にするのが一番!
アレルギー以外に、アトピーの主な原因として、乾燥肌、衣服、汗をかくこと、引っ掻いて傷になっている皮膚にいる細菌などがあります。(アトピーの原因を参照

基本的にはアレルギー以外のアトピーは、軽い場合はスキンケアのみですが、一般的には、スキンケアと薬で治療していきます。スキンケアとは、「皮膚を清潔にして、皮膚をいたわること」ですが、それではわかりづらいと思うので、対処法を説明いたします。


乾燥肌・汗対策

シャワーでもいいですから、できれば毎日しましょう
皮膚は、体の鎧のようなもので、異物や乾燥からのバリアになっています。アトピーではこの皮膚のバリアが壊れてしまっていて、水分が蒸発しやすく、皮膚が乾燥してしまうのです。また、汗をかくと、汗の中の栄養分で細菌が繁殖し炎症を起こします。対処法として…
  • 毎日、シャワーもしくは入浴する
  • 石鹸を使って体を洗う(しかし、体をこすりすぎると、皮膚の水分まで抜けることがあるので注意)
  • 保湿のために、市販または医療機関処方の保湿剤・市販の化粧水、市販のベビーオイルなどを使用します。自分の肌に合わないときは、医師に相談したり、使用をやめましょう

日光(日焼け)対策

日差しが強くなると、紫外線対策が必要です
紫外線は、日焼けを起こします。日焼けは、皮膚の炎症なのでアトピーを悪化させます。できるだけ、市販の日焼け止めクリームなどを塗って外出しましょう。なお、日焼け止めクリームを塗って湿疹がひどくなるなら、医師に相談したり、塗るのを中止しましょう。


衣服対策

衣服、下着は刺激の少なく、吸湿の良い木綿がお薦めです。汗をかいたら、なるべく替える。縫い目が皮膚に当たって、かゆみが出ることがあるので、裏返しに着るのもいいでしょう。洗濯後は、すすぎをしっかりして、洗剤を落としておきましょう。漂白剤や柔軟剤がアトピーを悪くすることがあるので注意!

傷からアトピーの悪化を防ぐ対策

とても初歩的なことですが、爪を短く切ることが重要。爪で皮膚を傷つけて、皮膚の細菌が皮膚炎を悪化させます。皮膚の細菌を減らす意味でも、石鹸などを使った入浴は重要です。

以上のような、日頃のちょっとした皮膚へのいたわり、スキンケアと薬の併用で、アトピーは必ずよくなります。医師と二人三脚で少しずつでもよくしていきましょう。


豆知識
皮膚:皮膚には表皮、真皮、皮下組織と分かれています。表皮の部分に角質層があり、角質層が体内の水分の蒸発を防ぐとともに、外界からの異物に対してバリアの働きをします。バリア機能に、セラミドという脂質が重要な働きをしています。



<参考リンク先>

アトピー性皮膚炎のスキンケア(裕森クリニック)

乳幼児のアトピー性皮膚炎について(いたやどクリニック小児科)

アトピー性皮膚炎のスキンケアについて(大阪皮膚医会)
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