東京都が販売広告に環境性能表示を義務化

東京都庁舎
東京都では、大規模なマンションの環境性能表示を義務化した。今後他の自治体へも拡がりつつある。
姉歯元一級建築士による構造計算書偽造問題発覚から、約1年が経ちました。マンションの耐久性の重要さを再確認した事件でしたが、建物のチェックをユーザー側から行うことの限界を認識した事件でもありました。中古マンションに至ってはなおさらのことでしょう。

少子・高齢化の進展や人口減少により、日本の住政策は大きな転換点を迎えているといえるでしょう。例えば、2006年5月に施行された住生活基本法では、基本理念の中で、住宅の品質または性能の維持及び向上を図ることが、記されています。

こうした中、東京都は平成17年10月以降に建築物環境計画書を提出した一定規模のマンションに対して、環境性能について販売広告の義務づけを行う施策を条例で定めました。
東京都マンション環境性能表示オフィシャルページ

マンションの耐久性や環境への取り組みが注目される中、マンションを選ぶ際の一つの基準としても、今後活用できそうです。その内容を紹介します。

延べ床面積1万m2超のマンションが対象

東京都の環境性能表示
東京都の環境性能表示のマーク例。4項目について★マークの数で性能を判断できる

東京都では、2005年10月1日以降に建築物環境計画書を提出した大規模新増築マンションに対し、マンション環境性能表示を行うことが条例で義務化されました。建築物環境計画書とは、環境確保条例によって定められた延べ床面積1万m2超の建築物の新増築に対し、約20項目に渡って環境配慮の措置について評価するためのものです。

東京都環境局によれば、延床面積1万m2超の建築物で、都内で建てられる全ての建築物の総延べ床面積のおおよそ30%を網羅できるそうです。

今回こういった施策を導入した背景には、表示を義務化することにより、購入検討者に選択肢を提供するとともに、地球に優しい良質な住宅が市場で評価されるしくみの形成を促進する意図があるようです。

■対象となるマンション
延べ床面積1万平方メートルを超える分譲マンションの新築または増築で、平成17年10月以降に建築物環境計画書を東京都に提出するもの

■表示項目
1.建物の断熱性・・・空調負荷の低減につながる断熱材等を評価
2.設備の省エネ性・・・付帯設備である給湯、床暖房、空調の省エネ性を評価
3.建物の長寿命化・・・躯体の劣化対策等により、資源の有効利用を評価
4.みどり・・・緑の量(面積)と質(高木による植栽等)を評価
以上を★印で3段階で評価しています。(★★★がもっとも評価高い)

例えば、建物の断熱性に関しては品確法の等級に応じて★(ひとつ)等級2(昭和55年制定の旧省エネ基準)★★(ふたつ)等級3(平成4年制定の新省エネ基準)★★★(3つ)等級4(平成11年制定の次世代省エネ基準)となっています。

また、建物の長寿命化は、品確法の住宅性能の基準等により評価し、★★★は、劣化対策等級3(大地震等の無い通常想定される自然条件下で3世代まで、建物の躯体劣化による大規模改修を必要としない)ことが必要となります。

みどりは、敷地緑化率(緑の量の確保)と屋上緑化や高木、樹木の保全(緑の質の確保)に応じて、★が変わります。

以上は、チラシやHPなどで表示が義務化されていますので、価格と間取が表示される広告には必ず表記されています。

次のページでは、施行を受けての商品開発の動きや各自治体の動向を紹介します。