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資産価値より構造。免震マンションに注目(2ページ目)

建築資材価格の上昇もありマンションの耐久性に関心が高まっている昨今。免震マンションの供給が地方都市にも広がり、首都圏では、新たな提案も登場しています。壁式免震構造採用のマンションを紹介します。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

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壁式免震構造の魅力とは?

壁式構造の魅力は、柱型や小梁のでないスッキリした室内空間。家具のレイアウトもしやすく、リビングや居室の使い勝手が良いこと。その反面、躯体を壁で支える為、構造壁と呼ばれる動かせない居室内の壁や開口部の窓が小さくなるなどのデメリットがあります。
 
加賀レジデンスの構造イメージ
加賀レジデンスの構造イメージ。堅固な地盤の上に免震構造の基礎と、壁式構造の建物が人の字型のフォルムで建つ
加賀レジデンス(東京都板橋区 鹿島建設)は、壁式免震構造(HIスマートウォール:特許出願中)を採用した、桜の名所板橋区加賀に誕生する14階建て総戸数246戸の大規模マンション。

壁式免震構造(HIスマートウォール)は、壁式構造と免震構造とを高い技術レベルで融合したもの。

上部構造は、壁と床で構造体を構成する壁式構造で、しかも壁と床の躯体は270mmと分厚い鉄筋コンクリートで作られている。建物を人の字のようなフォルムとし、揺れに有効な耐震壁とするとともに、中央部に大黒柱のような「コアウォール」を据えることで丈夫な上部構造をつくっています。

これに、堅固な地盤をいかしつつ、地震を建物に伝えないことを目指す免震構造(基礎免震)を組み合わせることで、従来は5階建て程度までが多い壁式構造を、14階建ての高層壁式免震マンションとして実現しています。
 

壁式免震構造のメリットは、開放感からくる上質さと可変性

加賀レジデンスのリビング
加賀レジデンスのモデルルームのリビング。梁や柱の無い空間に、天井いっぱいに拡がる窓は、開放感がある。
モデルルームを見学して、感じるのが、高さ2.5mいっぱいに拡がるリビングのフルハイトサッシュの開放感。タワーマンションや高層マンションでもハイサッシュを使ったマンションは珍しくは無いですが、柱や垂れ壁の無い窓のみの空間は、上質さを感じます。

階高を取っている事もあり二重床・二重天井を採用したインフィル部分は、専有部分に柱や構造壁が無く、使い方に応じてプランセレクトが出来るようになっています(上下階の厚さは600mm)。センターインの間取りが多く、外廊下に面さない両面開口のプランが多いので、かなりの自由度が取れます。90平米中心の広さと合わせ、将来的なインフィルの可変性も魅力的に思います。
 
加賀レジデンスの外観完成予想図。
加賀レジデンスの外観完成予想図。ガラス面が織りなすフォルムに注目。


こうしたつくりから、実現する外観のフォルムもランドマーク的要素として魅力です。是非見学をお勧めしたいモデルルームです。
 

技術の革新は、大きな要素

不動産マーケットを見る上で、技術の革新は大きな要素と思います。マンションの推移をみても、施工技術や建築技術の進化がマンションの商品企画の変化の大きなファクターになっています。そういう意味でも、ここ10年来メジャーになりつつある免震構造などの、マンションの耐久性・安全性には、注目していきたいと思います。

建築費の上昇が、地方にも波及しつつある中、こうした構造面での安心感は大事にしたいもの。選択ポイントの1つとして是非チェックしてください。

 
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