マンション相場・トレンド/マンション相場・買い時

住宅ローン選びのトレンドが変わる?

新築マンションの供給価格や中古マンション価格も上昇基調の中、住宅ローン金利も緩やかに上昇基調。住宅金融支援機構実施のローン利用者アンケートで、今後の住宅ローン選びについて考えて見ます。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

金利上昇?変わるローン選びのトレンド

長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りが緩やかに上昇しています。こうした動きは、金融機関の住宅ローン金利に影響を与えます。

住宅ローン選びは、住宅選び同様将来の人生設計にも大きく影響を与えるもの。住宅金融支援機構が5月に実施した住宅ローン利用に関するアンケート調査をもとに、これからの住宅ローン選びについて考えてみたいと思います。
 

全期間固定型を選ぶ人が上昇。約3割が利用

5月25日に住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)から、住宅ローン利用に関するアンケート調査が発表されました。対象は平成18年4月1日から平成19年4月30日で居住用の新規の住宅ローンを組まれた20歳から60歳の方。利用した住宅ローンやローン選びに関する事項に対する回答が集計されており、これから住宅ローンを組まれる方にとって参考になるデータです。

住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて3つあります。
◆変動型・・・市中金利(主に短期プライムレート)の状況に応じて金利が変わっていく住宅ローン。金利は年に2回見直されます。

◆全期間固定型・・・返済完了までの間、金利が固定されます。
金利が上昇していったとしても返済額が変わらないというメリットがあります

◆固定期間選択型・・・2年間、3年間、5年間など一定の期間だけ金利が固定されるタイプです。その後は、変動金利に移行する場合や固定金利と変動金利を選択できるタイプなどローンによってタイプが分かれます。
 
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査
出典:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査]民間住宅ローンの金利タイプ(借入時期別)…4月に全期間固定型が大きく比率が上昇。


アンケートによると最も多い住宅ローンの金利タイプが固定期間選択型で全体の56.1%、次いで全期間固定型で29.4%、変動型が14.6%となっています。固定金利の場合のメリットとして、金利が固定され市場金利の変化に影響されないというメリットがあります。変動金利の場合は、金利が上がれば負担額は増えますが、逆に金利が下がれば負担額が減るというメリットがあります。

上記の借入時期別の住宅ローンの金利タイプのアンケート結果を見ると、4月に入って大きく全期間固定型を使った人の比率が上昇しているのが分かります。固定期間選択型の比率は減少し、変動型を利用した方の比率はやや上昇しています。

今年に入って、短期金利が上昇し固定期間選択型の金利が上昇したことが一つの要因だと思います。金利上昇の返済リスクを避けた人は、全期間固定型へ、金利負担の減少を意図した方は、変動型へとシフトしたのでしょう。

金利タイプごとの当初借入利率は、変動型で1%~1.5%未満が最も多く、固定期間選択型が、2%~2.5%未満、全期間固定型が2.5%~3%未満が多くなっています。

ローンを組む際に、それぞれの返済リスクの許容度に応じて選択するローンも変わっているようです。
 
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査
出典:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査]住宅ローン金利とローンタイプ・・・変動型の金利が最も安く全期間固定型が最も金利が高い
 

固定期間選択型の固定期間が長くなる傾向に

また最も利用されている固定期間選択型の住宅ローンですが、借入時期別のデータをみると10年固定の長期のものを選んでいる方が上昇傾向にあるようです。
 
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査
出典:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)[住宅ローン利用に関するアンケート調査]当初金利の固定期間(固定期間選択型)


次のページでは、住宅ローン利用者のローン選びのポイントを紹介します。
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