瞬きの回数は脳内のドーパミンの活動を反映
自発的に起きる、まばたきの回数には、脳内のドーパミンの活動が反映されている事がわかっています。猿での動物実験によると、ドーパミンの作用を増強する薬物でまばたきの回数は増加し、ドーパミンの作用をブロックする薬物でまばたきの回数は減少します。人間も、猿と同様に、ドーパミンの活動が活発になると、瞬きの回数は増加し、反対に、活動が不活発になると、瞬きの回数は減少します。病気の中には、ドーパミンの活動が発症に関与しているものが幾つかあります。ドーパミンの活動が活発になっているものには、トゥレット症候群や統合失調症があり、これらの病気では、まばたきの回数の増加があります。トゥレット症候群は動作や発語をコントロールできない時があるのが特徴的で、何度も首をふってしまったり、汚い言葉を口にしてしまう事があります。統合失調症は現実と非現実の境があいまいになってしまう心の病気です。一方、ドーパミンの活動が不活発になる病気としては、パーキンソン病が代表的で、まばたきの回数が少なくなる事がよく知られています。
このように、まばたきの回数は脳内のドーパミンの活動を反映していますが、もしかしたら、自分のまばたきの回数はどの位か、知りたくなるかもしれません。でも、鏡を見て数えてみても、普段の自分の回数はわからないでしょう。鏡をじっと眺めているような、集中している時は、まばたきの回数は減ってしまうのです。周りの人に調べてもらうとしたら、3分程度、まばたきの回数を数えてみて、1分間の平均の回数を得るのが良いと思います。また、ちょっと、ぼーとしていて、白昼夢の世界に入っていそうな人を見たら、まばたきの回数をこっそり数えてみて、ドーパミンの活動の様子を調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
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