タバコ・禁煙/タバコの害・病気・禁煙のメリット

危険! 喫煙で腰痛のおそれあり

喫煙による身体への影響、周囲への影響は有名なところですが、さらに腰までも痛める危険性があることをご存知の方は多くないと思います。今回は、喫煙と腰痛についてお話させていただきます。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

喫煙による身体への影響、周囲への影響を考えると、喫煙者にとって耳の痛い話はたくさんありますね。喫煙者は呼吸器や循環器、脳の疾患などをひきおこすことが知られています。

さらに腰までも痛める危険性があるのです。今回は、喫煙と腰痛についてお話させていただきます。

背骨のクッション椎間板を悪くするニコチン!

写真のタイトル
「吸うとリラックスできる。」というのはスモーカーの感想。しかし、気付かないところで身体に変化が起きているかもしれません。
タバコの煙の中には、有害な化学物質が200種類以上含まれています。代表的なものは、ニコチン、タール、一酸化炭素、ホルムアルデヒド。この中で、腰痛の発症と関わりのあるものは『ニコチン』であるという研究データがあります。

背骨の骨と骨の間には、クッションの役割をする『椎間板(ついかんばん)』があります。椎間板自体には血管が無いため、椎間板周囲の毛細血管から栄養を得て、老廃物を流しています。

ところが、『ニコチン』は血管を収縮させる作用があるため、椎間板周囲の毛細血管までも収縮させてしまうのです。その結果、椎間板への栄養補給は不十分なものとなってしまい、椎間板が変性してしまいます。


ツラくて不快な腰痛をおこす椎間板変性

写真のタイトル
椎間板はバームクーヘンのような線維輪の中央にゼリー状の髄核があり、ニコチンにより影響を受けてしまいます。
椎間板の変性後は、ツラくて不快な腰痛をおこす可能性があります。

椎間板の形状は右図のように、バームクーヘン(いくつもの輪が層になっている)の中心に水分を多く含んだゼリーを持つような形になっています。喫煙から『ニコチン』を摂取することにより、このバームクーヘン(線維輪といいます)が裂けて外側が損傷してしまったとします。すると線維輪の外側にある痛みの受容器が刺激を受け、「腰の痛み」を感じるのです。

また、椎間板のクッションの機能も失われてしまいます。椎間板は、70~90%が水分であるためクッション性に優れているのですが、変性すると、この水分が抜けてしまい、スカスカ状態になります。クッションの役割が衰えるため、腰椎の関節への負荷が増加し、関節周囲が炎症を起こすこともあります。関節への負荷がかかり続けると、腰椎の骨が増殖し(骨棘といいます)、増殖した場所によっては神経へ悪影響を与えるかもしれません。

次のページでは、喫煙による「椎間板の早期老化」について迫ります>>
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます