ストレス/ストレス発散・解消法

ガイドが体験!身心改革の10回セッション ロルフメソッドで体を変える1

整体やカイロプラクティックとも違い身体を再教育する手技療法「ストラクチュラル・インテグレーション」をガイドが10セッション体験。今回はセッション1~3を体験し、身心の状態がどう変わったのかお送りします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

取材させていただいたのは
大塚豊先生
銀座SIセンター


シャイな方ですが、誠実で熱心に施術してくださる先生です。

サロンは、バリ島をイメージしたインテリアとやさしいライティングで落ち着きます
http://www.rolf-si.jp/

「ストラクチュラル・インテグレーション」(以下、S.I.)をご存知ですか? これは、長年のストレスや体の癖、生活習慣などによって乱れてしまった体の構造を修復し、統一感のある体へと導く手技療法。整体ともカイロプラクティックとも違うS.I.は、米国のアイダ・ロルフ博士により1940年代に確立され、全世界に広まりました。

「ロルフィング」という名でも知られるS.I.は、アイダ・ロルフ博士の身体の再教育理論により10回(各回約90分)のセッションに分けられ、段階を追ってよりバランスの取れた状態に体を持ってゆきます。このシリーズでは、当ガイドが実際にこの10回セッションを受け、体がどう変わっていくのかをレポートしていきたいと思います。


整体やカイロプラクティックとはどう違うの?

S.I.が一般的な整体やカイロプラクティックと違う点は、S.I.は特定の体の症状を「治す」というよりは、 体の構造や動きを、より無理の少ない、自然に則したバランスへと変えることによって、体本来が持つ可能性を引き出すことに焦点を当てているところです。

特徴としてあげられるのは、体と重力との関係に着目している点です。上から下への重力の流れに対して体がどのような状態であるかによって、体は重く感じられたり、軽く感じたり、バランスを崩し不安定になったり、逆に安定感を増したりしますが、S.I.は重力と調和できるように、体を中心軸を中心に整えてゆくことによって、姿勢の癖や、体の動かし方(歩き方など)の癖などの、知らず知らずのうちに身につけてしまっている制限された心身のパターンを解放して、より自由でストレスの少ない状態に段階を追って変えてゆこうとするものです。


体がバランスを崩して不安定になってしまった状態   もし、姿勢や体の動きがバラバラな状態だと重力は「押しつぶす力」となり、それを支えるためのストレスが常に体にかかってしまいますが、体が重力の方向性に沿ってまとまりがあれば、重力に対抗して体を支えるための余分なエネルギーを費やさなくても済むようになり、また、重力は体を支え「引き上げてくれる」ものとなります。


vol.1 体の表層部分のバランスをとる(セッション1~3)

自分の体はどんなゆがみや動きのクセをもっているのか、自分自身ではよくわかりませんよね。S.I.では10回セッションを通じて自分の体を見つめなおし、体の構造上の問題を修復していきます。全セッションの内訳は、以下の3つのコンセプトに分けられます。

10回セッションの内訳

 vol.1  体の表層部分のバランスをとる(セッション1~3) 回はこちらをレポート!
 vol.2  体の深層部(芯)のバランスをとる(セッション4~7)
 vol.3
  vol.1とvol.2でバランスがよくなった体を統合し、体全体をまとめあげる(セッション8~10)


今回レポートするvol.1(セッション1~3)では、体の表層部の筋肉や筋膜(筋肉を包んでいる膜)の緊張や癒着をゆるめ、体をバランスのよい姿勢に変えていったり、スムーズに動くための“余地”をつくるのがポイント。今回は第1~3回目まで順を追って、施術の様子と体の変化を見ていくことにしましょう。

胸郭と骨盤の間の筋膜を5本の指で充分にほぐしていきます

鎖骨や肩甲骨の裏側など、骨が凸になっている付近は筋膜が癒着しやすいため、時間をかけてほぐします

首と仙骨を整える施術は、毎回最後に行います。これが気持ちい!



セッション1(2003.7.25) 胸と腰の間の筋膜をほぐす

初回は、体全体の表層筋膜をゆるめる施術です。特に焦点を当てるのは、胸郭の周りや骨盤の周りです。

これらの部分は特に「呼吸」と関わりがあり、この部分を緩めてやることによって呼吸と共に広がったりしぼんだりする胸郭の動きをスムーズにします。体のゆがみやクセによってこの部分の筋膜が固く縮んでいる状態だと深い呼吸をしにくくなるため、酸素が筋肉をはじめ全身に十分に行き渡らず、コリが治りにくくなったり、冷え症につながることもあるといいます。

普通、マッサージなどでは固くなっている筋肉自体に焦点を当ててもみほぐしてゆきますが、S.I.では、まず筋肉の表面の部分だけに焦点をあてて緩めてゆきます。ゆがんでいたり偏った使い方しかできない人の体を、ごちゃごちゃに物が詰め込まれたショッピングバッグにたとえると、S.Iの場合は最初から中身の品物を整理しようとしないで、まず外側のバッグの皺にアイロンを当てて伸ばしていくことからはじめようというわけです。そうすることによって中身の品物自体も、自然に整ってゆく準備ができるのです。

面白いな~と思ったのが、施術の方法。指圧の場合はツボという1点を押す動き、マッサージの場合はもみほぐす動きがメインになりますが、S.I.の場合は5本の指や腕、こぶしなどを使って、広範囲にじわじわ~っと圧をかけていくのです。かなりの圧力を受けるため、終わったあとなどはフラフラになりますが、ほぐされ感は“大”で、呼吸がスムーズになって体がのびやかに動くようになります。

その日帰宅したあと、体全体がおも~くなり、疲れがドッと湧き出してきました。早々に熟睡し、一心不乱に3時間も眠ってしまったのですが、大塚先生によると、「施術の後は全身の緊張がゆるみ、また体のさまざまな部分が活動することによってにエネルギーが消費されるためか、眠気を感じる人が多い」とのことです。

セッション1の後、体はどう変わったの?


全セッション開始前の写真。肩が後ろに反っています   1回目が終わったあと。かえって背中が縮んでしまったように見えます(これはセッション2で解消されます)

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