「完治」ではない「寛解」とは?症状がなくなっても、完治ではない。それが「寛解」あなた自身、また大切な人が心の病になったとき、知っておきたいキーワードがあります。それは、「寛解」(かんかい)という言葉です。寛解とは、病気の症状がほとんどなくなったものの、完全に治癒したわけではない状態。再発しないように、様子をみていく状態のことをいいます。多くの心の病は、適切な治療によって「寛解」に向かいますが、すぐに治癒、完治するとはかぎりません。なぜなら、目立った症状がなくなっても、いつ再発するか分からないからです。うつ病は「心の風邪」ではない「心の風邪」と捉えると、うつ病は正確に理解できないたとえば、「うつ病」は誰でもかかる可能性のある病気であるため、「心の風邪」などと言われます。しかし、これはうつ病の特徴を正確に表した例えではないと思います。風邪の場合、薬を飲んだり休養したりすれば、割と早めに「完治」できます。こじらせて肺炎などの重篤な病に発展しなければ、長くとも1ヵ月もすれば元の体調に戻れますね。しかし、先述したように多くの心の病は、回復しても「寛解」の状態であるため、長期化しないように心身のケアをしていく必要があります。そのため、「心の風邪だから」などと軽く考えると、心の病気を理解できなくなってしまいます。「心の風邪」という例えは、ストレスによって起こる軽いうつや、自律神経の乱れによる体調不良なら妥当でしょう。休養や気分転換、栄養摂取などを心がければ、比較的早く元の状態に戻れるからです。次のページでは、「心の病が教えてくれる大切なこと」についてご紹介します。>>次のページへ12次のページへ