運動と健康/リハビリ・介護予防

あなたにとっての「適度な運動」とは?(2ページ目)

「適度な運動」とよく言われますが、どのようにして適度かそうでないのかを判断すればよいのでしょうか。酸素摂取量など複雑な検査をしなくても、適度な運動を簡単に判断するための目安があります。

執筆者:吉國 友和

リハビリでも用いられている運動強度の目安

運動会
地域の運動会で元気な姿をアピールしてください!
いきなり運動を始めるときつい! と感じることがあります。実は適度な運動をするためには、こうした自分自身での感じ方というのが非常に有用な目安となるのです。医療機関で行うリハビリテーションでも「運動のつらさ」を基にしたBorgスケールと呼ばれる指標を用いることがあります。

Borgスケールは運動を行った後、6~20までの15段階の数値と対応する症状を見ながら、どのぐらい辛かったのかを示していただき、これを参考にして次回の運動(リハビリ)メニューを調整するのが本来の方法です。大まかな目安としては症状が弱い順番に、非常に楽(7)、かなり楽(9)、楽である(11)、ややきつい(13)、きつい(15)、かなりきつい(17)、非常にきつい(19)、もうだめというぐらいきつい(20)、となっています。6点を最も楽、20点を最もきついとした場合、あなたの行った運動は何点ぐらいでしたか?

運動後、概ねこのスケールで9~13の範囲に収まっているようであれば、ちょうど良い運動強度と考えられます。このスケールは6点から始まるのですが、点数を10倍したものが心拍数に近似すると言われています(高血圧や一部の心不全などの治療に用いるベータブロッカーというお薬を服用している場合には、脈が上がりにくくなることがありますので、必ずしも該当しません)。また、このスケールを応用して呼吸リハビリに用いられる尺度があります。これは修正Borgスケールと呼ばれています。


修正Borgスケール

修正Borg(ボルグ)スケール
修正ボルグスケールは主観的な症状が目安となります
原型であるBorgスケールが心拍数の目安となるのに対して、こちらは酸素飽和度・血中乳酸濃度などを反映するとされ、呼吸リハビリを中心に応用されています。修正Borgスケールは0~10に0.5を加えた11段階で表します。

Borgスケールと同様に症状の弱いほうから、呼吸困難を感じない(0)、非常に弱い(0.5)、やや弱い(1)、弱い(2)多少強い(4)、強い(5)、とても強い(7)、非常に強い(10)となっています。医療機関でのリハビリテーションに用いる場合には、原型と同じく数値と症状を示した表になっていますので、実際にどのぐらいの症状に該当するのかを指差していただきます。


最後のページでは安静時心拍数を考慮した運動強度についてご紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます