なぜ無酸素運動ではいけないのか
陸上競技の短距離(100m、200m、400m)が無酸素運動の典型です。ふだん運動していない人の場合は、筋肉の毛細血管が発達していないので、軽い運動でも無酸素運動になってしまいます。無酸素運動でいけないのは、ブトウ糖から乳酸ができる事です。筋肉は、細胞内にできた乳酸を酵素で分解しますが、分解が追付かないと乳酸は、筋肉内に蓄積します。そのうちに筋肉が動かなくなります。これを防止するために筋肉は乳酸を血液中に放出します。これでも筋肉が取り込んだ糖の分は血糖が低下したように見えます。
直接に乳酸から生物エネルギー(アデノシン三リン酸:ATP)を取り出す事はできません。後に述べるように、肝臓は糖新生で、乳酸からブドウ糖を作り出し、最終的にはグリコーゲンとして貯蔵してしまいます。ブドウ糖を炭酸ガスと水まで分解しないと余分な血糖を減らした事になりません。
有酸素運動は活性酸素を作り、老化を促進するという考えがあります。また紫外線は皮膚の老化を促進します。これを突き詰めると、できるだけエネルギー消費せずに、紫外線を避けることが老化の防止ということになります。
でも、これは最低のエネルギー摂取で暗い部屋で寝たきりということが、老化防止と言っているのと同じですね。人生は老化の防止のためにあるわけではありませんので、これは本末転倒な不毛な考えです。
次頁で、糖化における肝臓と筋肉の役割を説明します。糖化を促進する側が肝臓で、抑制する側が筋肉です。