食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

縁起物の干し柿で、お正月のトラブル解消(2ページ目)

お正月の縁起物、干し柿は、干すことで栄養価がグーンとアップ! 寒くて乾燥する時期の風邪予防、肌荒れや食べ過ぎによる便秘解消など、お正月休みのトラブル解消に役立つ食べ物です。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


風邪予防、肌を乾燥から守るβ-カロテンが豊富

あんぽ柿
半乾燥状態のあんぽ柿は、とろりとした柔らかい舌触りがたまりません。
干し柿は、甘柿の約3倍以上のβ-カロテンを含んでいます。β-カロテンは、強い抗酸化作用で活性酸素を除去し、また必要に応じて体内でビタミンAに代わり、粘膜を強くする働きがあり体の抵抗力を高めて風邪予防に、また肌の乾燥を防ぐことにも役立ちます。

注目の抗酸化成分クリプトキサンチンも

さらに干し柿には、β-カロチンの5倍もの発がん抑制効果が報告されているクリプトキサンチンも、温州みかんほどではありませんが多く含まれています。

和歌山大学教育学部の研究では、和歌山特産の平核無の自然乾燥10日目で、β-クリプトキサンチンが顕著に増加し、また他のカロテノイドであるβ-カロテンやゼアキサンチンなどとお互いに抗酸化作用を強めあっていることがわかったと報告しています。

クリプトキサンチンやβ-カロテンは、アルコールによる肝機能障害を予防する働きがあり、タンニンも血液中のアルコールを分解する働きがあり、お酒も多く飲みがちな今の時期にはぴったりですね。

■柿100g中に含まれる主な成分

*五訂 日本食品標準成分表より

便秘改善に役立つ食物繊維も豊富

水分が抜けることで重量あたりの食物繊維の含有率が高まります。また不溶性食物繊維は便秘予防・改善に役立ち、また水溶性食物繊維は、コレステロールを吸収して一緒に排出する働きなどがあります。お正月はどうしてもごちそうが続いたり、いつもよりたくさんの量を食べ、また逆に野菜不足が食物繊維がとれにくくなり、たりして便秘する人も多いようです。

そんな時のおやつには、甘いケーキなどよりも食物繊維の豊富な干し柿がおすすめです。お通じが良ければ便秘による吹き出物や肌荒れの解消にもなります。

ただし、けっこうカロリーが高いですし、タンニンは取り過ぎると鉄の吸収を妨げたり、便秘の原因ともなりますので、いくら体によい成分が含まれているとはいえ、食べ過ぎは肥満の原因になってしまいます。


干し柿の種類や楽しみ方は、次のページで・・・・>>
食品名エネルギー(Kcal)カリウム(mg)β-カロテン(μg)クリプトキサンチン(μg)ビタミンC(mg)水溶性食物繊維(g)不溶性食物繊維(g)食物繊維総量(g)
甘柿60170420500700.21.41.6
渋柿63200300380550.52.32.8
干し柿2766701400210021.312.714.0
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