お醤油特有の香りやおいしさ、また化学反応によって、料理をおいしくする様々な働きがあるのです。お醤油の力でさらにおいしく下ごしらえや調理に、お醤油をちょっと加えると、味がしまって、料理がおいしくなります。というのも、お醤油は、「旨味・甘味・塩味・酸味・苦味」の五味を併せ持っているのです。またお醤油のさまざまな成分や化学変化も、お料理のおいしさを引き出してくれるのです。・生臭みを消すアミノ酸の一種、メチオニンが変化したメチオノールという物質の働きにより生臭みを消す働きがあります。日本料理の下ごしらえにある「しょうゆ洗い」や、お刺身に醤油をつけて食べるのは、この効果を利用しているんですね。(殺菌の目的もあるのでしょう) ・香ばしい香りや照りお醤油のこげるこうばしい香りは、食欲をそそります。これは、お醤油に含まれるアミノ酸と、みりんや砂糖などの糖分が、加熱されることでアミノカルボニル反応をおこし芳香物質を出すためです。またこの反応は、お料理の照りも出してくれます。 ・塩味をまろやかに 意外にも塩辛いものにお醤油をたらすと、しょっぱさを抑えてまろやかになります。これはお醤油に含まれている有機酸が、塩味をやわらげる働きがあるためです。 他にも甘味を引き立てる対比効果や、かつおだしと合わさって互いの味を強める相乗効果など・・・。こうしたおいしさや香りのもととなる成分は、やはりお醤油が、大豆や小麦等の材料を酵母や麹、乳酸菌などの力で「発酵」することによって生まれたものです。お醤油を選ぶときは、素材を吟味し、またきちんと発酵させた伝統的な製法のよいものを選びたいものですね。お醤油の種類や、その違いは・・・次のページで>>前のページへ123次のページへ