転職のノウハウ/転職活動の応募のコツ

転職理由の書き方!職務経歴書や伝えるべき志望動機、NG例文は?

転職活動の履歴書や面接において、転職理由は必ず聞かれる質問のひとつです。志望動機で嘘はNGですが、そのまま伝えては会社にいい印象を与えられません。転職理由のベストな書き方・伝え方を言い換え例文、NG例文などにも触れつつ解説します。

執筆者:高野 秀敏

転職理由の書き方・伝え方とは

転職理由の書き方とは

転職理由から採用担当者は何を知ろうとしているかを意識することは大事

履歴書や職務経歴書を作成する場合、転職理由を書くケースが大半です。採用企業の立場からしても、転職理由は気になるところなので面接でもつっこまれて聞かれることが多いでしょう。採用担当者が転職理由を知りたい背景と、どのような書き方をしたらよいかを説明します。  

転職理由から採用担当者が判断する内容とは

「転職理由」からは、その人の仕事に対する姿勢や考え方を知ることができます。たとえば、実績がないにも関わらず「新しいことに挑戦したい」と言うのであれば単に根気がないだけの可能性がありますし、環境が劣悪な状況でも「やり遂げたと言えるところまできたので、次のステージへ進みたい」というのであれば、ストレス耐性が強いと判断します。

転職に成功して入社してもまたすぐ退職すると、採用にかけた費用や時間はムダになってしまいます。そうならないため、企業側は転職理由からあなたの本気度やストレス耐性を見極めようとするのです。では、どんな転職理由を書いたらいいのでしょうか。年齢別・職種別、未経験の仕事に挑戦する場合について、伝えるべき内容をまとめました。
 

転職理由で伝えるべき内容……第二新卒の人の場合

社会人歴が浅いので、採用担当者はこれからの成長に期待します。「さらにステップアップしたい」という向上心は、未来への可能性を与えます。反面、学生のアルバイト感覚のままの人や、安定や福利厚生の充実、自分の利益ばかり気にする理由を書くと、「これ以上の成長は見込めない」という印象を与えてしまうので要注意。例えば「サービス残業が多かった」「退職金が期待できる会社がよかった」などはNGです。
 

転職理由で伝えるべき内容……30歳以上の人の場合

社会人としての経験も熟してきた年齢なので、分析力やリーダーシップなどの自分の強みや弱み、上司への報告の仕方や納期に対する意識など働き方のスタイルが確立している人が多いでしょう。そのため「これまでの経験を生かして次のステップへ行きたい」と具体的経験を書くことで、経験を活かして着実に活躍してくれるイメージを持つでしょう。
 

転職理由で伝えるべき内容……未経験の人の場合

経験のない職種に応募する際に、「今の仕事は自分に向いていないので転職したい」と書く人がいますが、これはNG。企業にとってあなたが仕事の向き不向きをどう考えているのかは、正直、どうでもよいことであり、大切なのは「新しい仕事で成果を上げてくれるのか」という一点です。

よって、たとえば営業から企画に転職したい場合は、「営業をしているうちにチームの企画や営業管理をまかせられるようになった。それらに興味をもったので、より知識を深め実績を積んでいきたい」のように、前職からの流れと次の仕事との関連と、転職を思い立った経緯があるとよいでしょう。
 

転職理由の書き方・伝え方は職種別で違いがある?

営業職、企画職、エンジニア、バックオフィスなどいろいろな職種がありますが、職種によって転職理由を意識する必要はありません。採用担当者はあなたのことを1人の社会人として判断をしようとしているのであって、スキル面を見ているわけではないからです。
 

ネガティブな志望動機の言い換え例! 嘘はNG

転職理由にネガティブな感情が出てしまうのは仕方のないこと。でも、それをそのまま表現してはいけません。好印象を与える転職理由の書き方を紹介します。

1.本音の転職理由を書き出す
「給料が安い」「労働時間が長い」「上司が嫌だ」「仕事がつまらない」などのように、まずは本音の転職理由を書き出します。本音の転職理由を書き出す理由は、自分の中での一貫性を確認するためです。見栄えのいい嘘の理由を作り上げても、相手は採用のプロ。にいろいろな質問を受け答えていく過程で矛盾が生じ、嘘だとわかって信頼を失ってしまいます。でも、本当の転職理由を起点としているのであれば、当然そんな矛盾は生じません。ただ、表現方法を変えればいいだけなのです。

2.ネガティブな理由を前向きな理由として伝える
例えば、本音の転職理由に対し、以下のような言い換えができます。

・「給料が安い」
→「成果や実績に対して評価される会社での就業を希望している」

・「労働時間が長い」
→「生産性を重視した職場での仕事を希望している」

ネガティブな転職理由は、相手にもネガティブな印象を与えます。それをポジティブな転職理由に変換させることで、ポジティブな印象を与えることができます。

その他の言い換え例

・「上司が嫌だ」
→優秀な人が多い環境で学び、切磋琢磨したい。

・「仕事がつまらない」
→これまでの経験を生かすため、別の会社でさらなる経験を積みたい。
→同じ1年を過ごすのであれば、新しい環境で新しい経験を積み、より成長できる環境に身を置きたい。
 

転職理由のNG例文……「待遇が悪い」「労働時間が長い」などはダメ

転職理由のNG例として多いのが次の3つです。本音として無意識に書いてしまう人も多いので、ご注意を。

■「待遇が悪い」「労働時間が長い」
権利ばかりを主張してる人は、義務を怠っていることが多いもの。正当性があればよいですが、会社側としても保証できるものではないので、敬遠されるでしょう。

■「上司とあわなかった」「いじめにあった」
人間関係のもつれは、環境よりもその人が招いている可能性もあると判断されます。人間関係の問題は多様な価値観の人間がいる組織ではなくなることはありません。採用企業は、人間関係を円滑にできる人を望んでいるので、ポジティブな印象にはならないでしょう。

■「会社の将来性が不安だ」
会社の将来性は、誰も保障できるものではありません。裏を返せば自分に自信がなく、会社に依存したいという気持ちの表れとも捉えられます。
 

転職理由の書き方、注意点

転職理由を書く際は、以下の点に注意してください。

1.転職で変えることができない問題点を書かない
例えば「上司と性格が合わない」「将来性が不安だ」などです。どんな会社にも性格が合わない上司はいますし、どんな会社でも将来性が安泰という会社はありません。

2.転職理由は2つまで、そして短く書く
理由が多すぎたり文章が長すぎたりすると、言い訳に思われたり文句の多い人だと勘違いされてしまいます。一般的には、1、2つを短く書くのがよいでしょう。

3.セクハラ、パワハラが本当の転職理由の場合どうするか?
転職理由がセクハラやパワハラの場合、訴えたくなる気持ちもわかりますが、そのまま書いてしまうと印象はよくありません。セクハラやパワハラにどの企業も慎重になっているので、訴訟の種になりやすいという印象を与えてしまいます。転職理由に書くのはやめておいたほうが無難です。

4.「ありのまま」の自分を表現しない
転職希望者から相談を受ける内容としてよくあるのが、「ありのままの自分を見てもらいたいので、転職理由は嘘をつきたいくない」というものです。

確かにその通りで、嘘はいけません。嘘をついて入社してもいいことはないですし、内定取り消しの対象になる可能性すらあります。しかし、嘘をつくのではなく相手に伝わりやすい表現を丁寧に工夫することは、極めて重要です。

例えば、営業職の人が得意先で、「いや~、本音で言うとうちの商品、他社とだいたい同じで特徴がなくって……」と言われたら、この営業から買いたいと思う顧客はいないでしょう。できる営業なら、顧客の特性や希望をヒアリング・観察して一番ベストな商品やサービスを提案するはず。そのため、「相手に合わせて表現方法を変える」ことが必要なのです。
 

転職理由は端的に!長すぎると言い訳がましい

転職理由は、150字~200字程度の短いものでもかまいません。逆に800字など長すぎると、言い訳がましくなります。転職理由と自己PRどちらが大切かといえば、自己PRです。同じ時間を使うなら、自己PRにウェイトを置きましょう。自分に何ができるのか、その強みこそが大事です。転職理由は、応募先企業の社風に合うか、すぐに退職しないかどうかのリトマス試験紙のような位置づけになのです。

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