<目次>
コンサルティング業界では志望動機必須の企業が増えている
非常に重視される志望動機書。盛り込なければならないポイントは2つある
- たくさん書類が送られてくるため、応募のハードルを上げたい
- コンサルタントの適性のない人や勘違いしている人を、事前に除外したい
志望動機書というのは、正直言って作成が面倒くさい。A4一枚のしっかりとした志望動機を書くと言うのは意外と難しいものです。志望動機を書けといわれたら、少なくともその企業については研究しないといけませんし、仕事内容も理解する必要があります。
冷やかしでコンサルタントを受けようとする人は志望動機の作成を渋りますから、志望動機を書かせるファームは敬遠されがち。よって、あまり考えず受けにくる人を除外できるというわけです。これが応募のハードルを上げる理由です。
2の理由は、志望動機書の文章力(論理的思考)があるかどうかを見ています。採用側は、志望動機書を1つのドキュメンテーションの成果として捉えています。仕事内容を的確に捉え、自分の意見を交えて論理的に文章がかける人かどうかを事前に判断しているわけです。いくら職歴が良くても、だらだらと長たらしく論理的でない志望動機書を提出してしまうと、それだけで「適性なし」と判断されることも実際に起こっています。
「志望動機を見ると、やりたいことが曖昧」
「そもそも志望動機書の文章が論理性に欠けている」
「志望動機の文章から、インテリジェンスを感じない」
という企業からのフィードバックです。手厳しいですね。
コンサルへの転職で、志望動機に盛り込むべきポイント
企業が知りたいのは、どうして転職するのか、何をやりたいのか、その2点に集約されます。それに答えるのが志望動機です。ですから、面接官に「どうして(弊社の)コンサルタント職をやりたいのですか?」
「入社したらどういうことに取り組みたいのですか?」
と質問されているのだと想定して答えをまとめれば、志望動機は完成します。
具体的な書き方は、A4一枚の志望動機を前半と後半の2段落に分けます。そして、それぞれの段落に見出しをつけます。
- (御社の)コンサルタント職を志望する理由
- 御社で取り組みたいこと
「コンサルタント職を志望する理由」の書き方
志望理由は、転職理由とほぼ同義です。現業がコンサルタント職であれば「なぜ今の会社でなくその会社なのか?」「今の仕事ではなくその仕事なのか」を中心に書きます。コンサルタント以外からコンサルタントに転職する場合は「なぜコンサルタント職という今までと違う職業に就きたいと考えるのか?」を中心に書きます。次に、志望理由の悪い例と良い例を紹介します。■志望理由の悪い例
・現在の仕事に不満があって、その解消がコンサルタント
→転職は不満解消の場ではありません。ネガティブな理由はNG。
・「マーケティングに興味があるので、コンサルタントになりたい」
→現職とのつながりが見えないと、単なる理想家に見えてしまいます
・「将来独立したいので、コンサルタントで勉強したい」
→コンサルタントはビジネススクールではありません
・コンサルタントに興味を持つようになった「きっかけ」を物語のように書いている
→企業が知りたいのはあなたの興味のきっかけではなく、コンサルタント職の何に興味があるかです
・コンサルタント職自体の説明をくどくどと書く
→コンサルタントの仕事の内容の説明は転職理由ではありません
■志望理由の良い例
- 専門能力を社内の業務に使うのではなく、お金を取るプロとして広く外に提供したい
- コンサルにつながる仕事をしていて、さらに磨きをかけてプロフェッショナルになりたい
- より困難な環境でチャレンジしたい。上流の工程に取り組みたい
- 分野の幅を広げたい。または、分野を特化して専門性を高めたい
- 具体的に取り組みたい分野やサービスがあり、御社で実現させたい
- 応募会社が、たとえば製造業に特化したコンサルティングをしているといったような特色があるならば、製造業へのこだわりを述べる
コンサルの志望動機で「御社で取り組みたいこと」の書き方
入社後に取り組みたいことを書くためは、会社のサービス内容や取り組みについて事前によく調べておく必要があります。応募会社のことをよく調べず、自分がやりたいことのイメージだけを持って転職活動に臨む人がいます。これはNGです。「自分はこれがやりたい!」と勝手に考えていることと、会社が提供できることが違うからです。■取り組みたいことの悪い書き方の例
- 応募会社がやっていない、もしくはメインではない仕事をやりたいと書く
- 聞こえのよい特定の分野(例えばマーケティング)だけが自分のやりたいことで、それ以外に興味がないと見えるように書いている
- 「戦略的な仕事をしたい」「経営者と仕事をしたい」といった曖昧な記述だけで、やりたい内容に具体性がない
■取り組みたいことの良い書き方の例
- (求人をよく読み)相手の会社が取り組んでいること、今回の求人で企業が強化したいことにコミットする
- 取り組みたい内容を、業界×コンサルティングテーマ×スタイルといったように具体的提案した上で、自分がその分野で会社に貢献できることを述べる
コンサルの志望動機、「文章自体を論理的に、簡潔に」にするには?
書類審査では、志望動機の文章力を見てコンサルタント適性を図っています。そのため、論理的かつ簡潔に書くことが必須です。チェックポイントは、- 言いたいことが明確か?
- 引用される事例やエピソードは、言いたいことを証明する事例か?
- 段落構成などは適切か?
一番NGになりやすいのは、「結論から書かれていない」「質問に答えてない」という志望動機書。志望動機というのは、先にもあげたように、「どうしてコンサルタント職をやりたいのですか?」「入社したらどういうことに取り組みたいのですか?」
という2つの質問に答えること。ですから、簡潔に質問に対する答えを、結論から書き始めてください。次に、例を紹介します。
「私は、今まで国際会計基準の導入プロジェクトに多くかかわってきました。この分野に特化して専門スキルを高めたいとため、御社の会計コンサルティング部門で働きたいと考えております」
といった具合です。その後、なぜ国際会計基準なのか、今まで取り組んだプロジェクトでどのようなスキルを得たのかといったエピソードを説明していきます。文章構成は、
- 結論
- 理由
- 経験・エピソード
コンサルへの転職での志望動機書は面接対策になる
志望動機書がしっかりしていると、面接はスムーズに行えます
志望動機書の提出が必須でないからといって、2つの質問に対する答えを用意しなくていいわけではありません。志望動機を考えたり志望動機書を書くということは、すなわち、最も重要な面接対策です。志望動機書を書くと同時に、面接で想定される質問に対する答えを同時に用意してしまいましょう。
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