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「転職」したら、確定申告に必ず行かなくてはならない?
毎年、転職される方は多くいますが、転職をしたからといって必ずしも確定申告をしなくてはならないわけではありません。転職した方には、確定申告をしなくてはならない人と、しなくてはいけない人と2通りのタイプがあるのです。ケース別に見てみましょう。
ケース1:転職した年の年末に、どこかの会社に在籍していて、年末調整を受けた
→確定申告の必要はありません確定申告とは、前年の1月から12月までの所得総額を申告をし、それまで給与から毎月源泉徴収されていた概算の所得税総額と、実際の所得税額の差額を精算するシステムのこと。年末にどこかの会社に在籍していれば、転職する前の企業からの給与所得と納税額を証明する「源泉徴収票」を提出するだけで、年末調整で、転職先の企業が所得税の調整をしてくれるので、基本的に確定申告をする必要はありません。
例えば、5月で前職を辞め、7月から新しい会社で働き始めた、という転職のスキマ時期(無職であった時期)があったとしても、転職先の企業で前職の「源泉徴収表」を提出し、年末調整を受ければ、確定申告をする必要はありません。また、転職のスキマ時期に、国民健康保険料を個人で支払った場合、その保険料の支払いの証明書を年末調整の際に提出すれば、保険料の控除が受けられます。
ケース2:転職のスキマ時期が年末がかかり、年末調整が受けられなかった
→確定申告の必要があります前職で年末調整を受ける前に転職し、12月までに再就職しなかった人や年末調整を待たずに退職・失業状態に入った人、転職先の年末調整時期に間に合わなかった人は、本人が確定申告する必要があります。
所得税は、前年の所得総額に応じた見込み額が給与から源泉徴収されているおり、確定申告をすれば払いすぎた所得税が戻ってくる可能性が高いので、申告するようにしましょう。その際には、源泉徴収票と印鑑が必要になります。また、生命保険料を払っている場合や、医療費控除がある場合は、証明書や領収書も忘れずに持参しましょう。
確定申告を忘れてしまうと、後に市区町村より「確定申告をするように!」と督促が来てしまい、所得税の還付を受けられないばかりか、罰則として、無申告加算税(納付税額50万円までは15%、50万円を超える部分は20%)が課せられるので、くれぐれも確定申告は忘れないようにしましょう。
この確定申告は、必要な書類さえちゃんとそろえておけば(ここが重要!)手順に沿って計算するだけで、それほど難しいものではないので、ことさらに構える必要はありません。
ケース3:前の会社から退職金をもらった場合
→確定申告の必要はありません(※例外あり)退職金(退職所得)については、多くの場合、退職時に「退職金を受け取る旨の申告書」を書くように指示されます。前職の企業からこの「退職所得の受給に関する申告書」が税務署に提出されており、源泉徴収されているので、退職金をもらったからといって、確定申告をする必要はありません。
しかし、外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されなかった所得については申告する必要があるので、国税局税務相談室か、お近くの税務署に問い合わせましょう。
番外編:「源泉徴集票」って、どこでもらえるの?
転職して問題になるのは、前職分の収入の分かる「源泉徴収票」を紛失してしまった場合。よく質問を受けるのですが、源泉徴収表は、前職にお願いをすれば再発行されます。失くすこと自体は少々問題ですが、丁寧にお願いすればやってもらえますので、失くしてしまった場合は早々にお願いをしましょう。【関連記事】