企画書の基本構成・フォーマットをご紹介
企画書のフォーマットがあれば、企画をまとめるのが楽になります
そこで今回は、企画書のフォーマットを紹介します。もちろん、唯一無二のフォーマットではありませんが、自分の状況に当てはめてアレンジして使っていただけると思います。 まず企画書の構成を示して、その後に各要素についてお伝えしましょう。全体構成は以下の通りです。
- 表紙
- アジェンダ
- 企画の狙い
- 企画の全体像
- 企画の詳細
- 企画の特長
- 信頼性の補完
- 具体的な実行ステップ
ここからは、それぞれがなぜ必要で、どのように書けばよいのかをお話しします。
<目次>
企画書構成1:表紙
企画書の表紙は、手に取った人が最初に目にする部分。広告で言えばキャッチコピー、メールで言えばタイトルにあたるもの。そう言うと、表紙の重要性が伝わると思います。表紙に表現されたキーワードが読み手の興味をくすぐるものであれば、積極的に2ページ目以降を読んでくれるでしょう。興味を引けなければ、適当に読まれるか、読んですらくれないかです。ですから、表紙のキーワードは念入りに考えるようにしましょう。たとえば、ウェブ制作会社の提案企画なら「ウェブサイトのリニューアルのご提案」というタイトルよりも「成約率30%アップのためのサイトリニューアルのご提案」のほうが関心を引くでしょう。
企画書構成2:アジェンダ
アウトラインというのは、本でいうところの目次です。このアウトラインを2ページ目に持ってくることで、この企画書で何を語ろうとしているのかを示します。書籍を読む際に、先に目次を熟読することで全体像をつかもうとする方も多いはず。アジェンダにおいても、そのような効果を狙っています。だから「しっかり読めば、全体像がつかめる」ように書かなければ、アジェンダとしての意味はなさないとも言えます。企画書構成3:企画の狙い
ここで伝えるべきは、ゴールです。この企画は、最終的にどういうことを実現したいのか?を伝えます。企画は、必ず受け手と受け手が欲しい結果が存在します。それをシンプルに表現するのが、このページの目的です。たとえばシステム開発の提案書ならば「そのシステムを導入することで誰がどのような恩恵を受けられるのか」を表現する。研修の提案書ならば「受講者がどのように成長するのか。その結果として、会社がどのように良くなるのか」を表現する。ここで示したゴールが、受け手が本当に欲しい結果とどれくらい合致しているかが、企画書が採用されるかどうかの大きな分岐点と言えるでしょう。
企画書構成4:企画の全体像サマリー
企画の狙いでゴールを示したら、いよいよ提案内容です。受け手に対して何を、どのようにして実行するのかを表現します。そのときに、まずは全体像として「この提案はわかりやすく要約するとどういうものか?」を示します。全体像を示してから、細部の説明に入るという順番は、わかりやすい企画書の鉄則。図解などを用いて、一目でわかるように伝えられることがベストです。企画書構成5:企画の詳細
全体像を示したら次に、もっと具体的にはどうなるのか? という詳細の説明を行います。たとえば全体像が大きく3つのパートに分かれていたならば、その3つのパートそれぞれについて詳しく説明を行っていくわけです。詳細を示すというくらいですから、このパートにおいては具体性がキーです。具体的であればあるほど、受け手は安心します。「この提案を持ってきた人間は、しっかりと企画の詳細までイメージできたうえで持ってきているんだな」ということが伝わるからです。
企画書構成6:企画の特長
企画の全体サマリーと詳細を通じて、何を企画・提案するのかは受け手に伝わりました。その後に強調しておきたいのが、企画の特長です。この企画は他の企画(コンペであれば他社の企画)と何が違うのか? これを強調することが大きな目的です。どのような点が優れているのか?どのような点に差別ポイントがあるのか?こうしたことは、企画の全体像や詳細を読むなかで受け手に気付いてもらえることもあれば、気付いてもらえないこともあります。だから改めて強調することが重要なのです。
企画書構成7:信頼性の補完
受け手はここまで企画書を読んでみて、このように感じているかもしれません。「企画としては面白い。非常に役に立ちそうだ。しかし、ここに書いてあることは実際にこちらが期待するレベルで実行できるのだろうか?絵にかいた餅にはならないだろうか?」受け手がこうした不安を持つことは自然な流れです。あなたも初めて何らかのサービスを受ける時には、不安になることもあるのではないでしょうか。たとえば、初めての歯医者に行くときなどは「痛くされないかな?すごく時間がかかったりしないかな?」と思ったりするでしょう。
こうした不安を抑えるためには「信頼性の補完」というステップが必要になります。例えば、過去に同様の提案を実行し成功した他クライアントの喜びの声、その他のデータなど、「この企画は成功しそうだ」と読み手に思わせる情報を記載します。
企画書構成8:具体的な実行ステップ
最後は具体的な実行ステップです。受け手がせっかくその気になってくれたとしても、そこからの手順が示されていないがために、読み手が迷ってしまうということがあるのです。「どうしたらいいんだろう」という小さな迷いが、その企画の優先順位を下げてしまい、いつの間にか伸ばし伸ばしに。そうならないために「あなたがこの企画を気に入ったのなら、○○・△△・□□という手順でステップを踏んでください」という風に、具体的に書き示すのが良いでしょう。営業的な提案活動ならば、価格もこれにあたります。
企画書の基本構成から伝わるメリット
以上が私がオススメする構成です。最後に、この構成を使うことで何が得られるかをお伝えします。■冒頭数ページでポイントがつかめる
企画の狙いと企画の全体像要約は、企画の根幹にあたるものです。「誰がどんなメリットを享受できるのか?」が企画の狙いで語られ、「そのメリットはどのような方法で実現するのか?」が企画の全体像サマリーで語られます。
こうした根幹部分が前半で示されることで、企画書は理解されやすくなります。根幹部分がわかりにくかったり、後半に書かれていたりすると、受け手は読み進めにくくなります。「結局、何がいいたいの?」となるからです。
■市場性と優位性、実現性が表現される
企画においては、受け手から求められる内容であること(市場性)と、他よりも優れた内容であること(優位性)と、実行可能な内容であること(実現性)が必要です。この構成では、市場性・優位性・実現性の全てをアピールすることができます。市場性は主に企画の狙い、優位性は主に企画の特長、そして実現性は信頼性の補完。いわゆる、かゆい所に手が届く企画書になりやすいフォーマットです。
企画書の構成は、当然求められる情報量によります。10~20枚程度の企画書ならば、このフォーマットはそのまま使いやすいですが、もっと多い場合も少ない場合もアレンジして活用できます。シンプルなものなら、企画の狙いと全体像サマリーだけで十分なこともあるでしょう。100ページ近い企画書が必要な場合なら、企画の詳細に厚みを持たせることで対応できるでしょう。ご自身が求められる企画に合わせて、使いやすいように使ってみてください。
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