キャリアプラン/キャリアプランの書き方

女性のキャリアは転機を柔軟にとらえる

女性のキャリアを考える際、結婚、出産・育児、親の介護などの家庭環境の変化があります。それらを見据えて、ライフキャリアをどう設計していくかを考えることが大切です。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

ライフイベントが多い女性の人生

育児は子供に教えると同時に学ぶことも多い

育児は子供に教えると同時に学ぶことも多い

女性が男性と違うのは「子どもを授かるかもしれない性」であり、選択していくのは女性自身にあることです。男性は、結婚して父親になっても、身体的、直接的影響はほとんどなく、仕事のビジョンを長期的に考えることが可能といえるでしょう。

一方、女性は結婚、出産・育児、親の介護などの家庭環境の変化に、体力的にも精神的にも、経済的にも大きな影響を受けるのが現状です。女性が「豊かな人生」を送るためには仕事の面だけを単独で考えることではなく、ライフキャリアをデザインする(=どういった人生を送りたいのか、どのようなライフコースを選択していくのかを考える)ことが大切です。

事前に女性を取り巻く現状を見据え、「そのとき」自分はどうするのか、どうしたいのか、を思い描いておくことが必要です。「これからどうなっていきたいのか」大まかにイメージし、「そのために今、自分ができることは何か」を考えながら、日々を重ねていきましょう。

女性のライフコース選択の実状

内閣府(2006年)発表の、30代~40代(3100名)の女性を対象とした「女性のライフプランニング支援に関する調査結果」のデータから、女性のライフコース選択の実状をデータから読み解いてみましょう。

女性のライフコースは既婚、未婚で分かれますが、既婚者の中では結婚を理由に仕事を辞めた方は約4割。結婚後に離職した理由で最も多いのは「結婚」に次いで「第一子出産」「妊娠」となっています(図表1)。また、子供のいない既婚者の約7割は、「子供が欲しい」と希望しています。

■図表1 仕事を辞めた理由
図表1 仕事を辞めた理由(複数回答/回答数2613)

図表1 仕事を辞めた理由(複数回答 回答数2613)


「働き方の希望」を見ると、結婚や出産・子育てといったライフステージによって様々に変化していることが分かります。子どもが小さな時期には、「働きたくない」という人が半数以上いますが、子どもが中学生の頃では9割以上の女性が働くことを希望しており(図表2)、子育て後の再就職という選択も増えています。

■図表2 ライフステージの変化に応じた働き方の希望
図表2 ライフステージの変化に応じた働き方の希望(単数回答/回答数3100)

図表2 ライフステージの変化に応じた働き方の希望(単数回答/回答数3100)


特筆すべきは、「第一子出産・子育て時の希望と現実別の働き方の選択に対する評価」の満足度です。最も満足度が高いのは「働いておらず仕事をしない事を希望し実現」で、次いで高いのは「これまでどおり働くことを希望し実現」となっています(図表3)。本人の希望と現実が一致した場合に高くなることは共通なのですが、仕事や育児への重みづけ、価値観が人それぞれ違っていることが読み取れます。

図表3 結婚および第一子出産・子育て時の希望と現実別 働き方の選択に対する評価
図表3 結婚および第一子出産・子育て時の希望と現実別 働き方の選択に対する評価(単数回答

図表3 結婚および第一子出産・子育て時の希望と現実別 働き方の選択に対する評価(単数回答)


これらの調査結果から、働き方の多様化が進んできて、女性にとっては生き方を選ぶのが難しい時代になっているとも考えられますが、女性はたくさんの可能性あり、色々なキャリアビジョンを持つことができるといえます。
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