大学生の就職活動/就職活動の準備

就活は何社にアタックすればいい? 1(3ページ目)

片っ端からエントリーしても、結局は物理的に半分の会社説明会にしか行けないし、10分の1しか面接に辿り着けない。効率良くかつ確実に自らが輝く会社を見出し、面接に辿り着くためには、いくつかの戦略が必要だ。

執筆者:見舘 好隆

もう一つ、サブの軸となる数社(同業種)を押さえる。

エントリー
業種や職種だけで絞ると、自らの可能性に蓋をしちゃうぞ。
早くから「業種」で絞ってしまう学生をよくみる。私はこれは大変危険だと考える。理由は以下だ。
    • 業界を選んだ理由に説得力が無くなる。

    前述した「1社に絞らず数社同業種を会社研究せよ」と同じことだが、面接官は当然なぜこの業界を選んだのかという質問する可能性がある。その時に、ある程度広い視野で検討し、この業界で、かつ御社を選んだと伝えなければ、視野の狭い学生に思われてしまう。例えばソニーに「人々に驚きを与えたいから」と理由で希望したとしたよう。その時に「それならテレビ業界でも、広告代理店でも、インターネット業界でもできるよ」と聞かれた時、他業界も吟味していないと答に窮してしまう。もしくは「とにかくソニーが好きだから」という狭い視野での答えをしてしまう。

    • 新たな発見が無くなってしまう。

    業界と業界は、別々に存在するわけではない。例えばJR東日本・西日本・東海は、FeliCa(フェリカ)の登場で、改札や券売機のしくみはもちろん、駅ナカビジネスなど、事業内容が大きくパラダイムシフトした。書店はコンビニエンスストアやamazonの台頭で売上を下げ、ソニーミュージックやタワーレコードはアップルコンピュータのiPodやiTunesにかなり影響を受けている。いつも同じ業界内だけで競争して閉じているわけではない。他業種を研究することで、新たな視点が付与されて自らの進路の可能性が膨らませることができる。あまり業界にこだわりすぎることは、この側面からも危険だ。

    • もしダメだった時に逃げ道が無くなってしまう。

    記事「就職活動のポーラースターは何処にある」で登場した彼女は、出版業界にこだわりすぎて、書店業界を見逃してしまった。就職活動には時間的制約がどうしてもある。あとで他業界の良さに気づいたとしても、もうエントリーが終わっていたり、面接が終わっていたらどうしようもない。最初から崖っぷちに自らを追いやって、渾身の力を込めたいキモチは分からなくは無い。しかしながら、最悪全滅した時、新たな業界にトライする手掛かりがないのは辛いことだ。わざわざそんなリスクを背負うほど、自らのキャリアの可能性を閉じる必要は無い。

就職活動をする上で心掛けてほしいことは、「自らの可能性に蓋をしない」ことだ。どちらの業界に悩むぐらい、複数の業界をしっかり研究するぐらいが、ちょうど良いと私は考える。


※次のページで、軸とサブの会社研究から派生する会社を追加していく

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