やりたいことがわからないのに、何を頑張ればいいのか?
今どき「熱いヤツ」こそ、カッコイイ時代なんだ。クールはもう古い。 |
「人生は、川だな。晩年にゆったり大きく流れたかったら、若いときに水を集めとくんだ。苦労してでも水を高いところに上げることだ。そうすりゃ、きっといい川ができるよ」
(出典:『PROVISION』No.49「職人の技」)
左官職人・榎本新吉さんの言葉。榎本さんは80歳。今なお現役で、自らをプロと呼ぶことをはばかり、「未完成な職人」だと語る一級職人だ。
「良い苦労をしなよ」
昔からよく聞く「若いうちに苦労をしておけ」という言葉を、榎本さんは一流の人ならではの風景をモチーフに表してくれた。自分自身を顧みてみると、榎本さんのおっしゃるように、若いときに集めた水の量、すなわち経験の数が今の自分の力量と比例している。結局は、努力した分だけ今につながっているのだ。
この教訓は就職活動にも言えること。就職活動を経験した人なら分かると思うが、面接の時に行う「自己PR」は、自らの大学時代の経験そのものだ。記事「自己PRはメッセージ・事実・論拠の三つで構成される」でも指摘したように、入社後活躍しうる人材であることを裏打ちするのは「経験(水)」である。つまり、就職活動をいずれは行う学生にとっても、この「経験の数(水量)」を貯めておかなくてはならない。
「でも努力しろって言われても、経験しろって言われても、まだ将来やりたいことが漠然としているのに、具体的に何を努力すればいいのかわからないよ」
そりゃそうだ。意味も無く努力することはできない。例えば、資格を取得するには、一定期間努力しなくてはいけない。しかし、その資格が将来に役立つのか分からないのに、努力なんかできないだろう。経験を積むこともできないだろう。
やりたいことがわからないのに、何を、どう頑張ればいいのか?
それが今回のテーマである。
まず、その「経験の数(水量)」が、何を成長させているのかを知ろう。
次に企業がどうやってそれを測っているのかを知ろう。
最後に、どうすればその「経験の数(水量)」を増やせるのかを一緒に考えたいと思う。
答えを先に述べておく。
「熱いヤツほど、採用される」のだ。
<目次>
- 企業はどんな学生を求めているのだろう?
- 「社会で働く上で必要な力」=「基礎力」って何?
- 「社会で働く上で必要な力」=「基礎力」の例を見る!
- コンピテンシー面接って何?
- コンピテンシー面接でチェックされる「再現性」
- 「再現性」をどうやって伝えればいいの?
- 「再現できる基礎力」はどう培えばいいの?
- 「熱いヤツ」ほど、満足できる就職活動ができる!
※次のページで、「企業はどんな学生を求めているのか」を知る!