大学生の就職活動/就職活動の準備

ダイソー社長「夜逃げ」が成功につながる時(3ページ目)

みなさんの就職活動は「必死」だろうか?「妥協」だろうか?「必死」になって傷ついたならきっと報われる。「妥協」した結果なら報われることは無い。満足できる就職活動かどうかは、君の「必死」さで決まるのだ。

執筆者:見舘 好隆

更なる試練、火事1回

また、この時にダイソーの記念すべき事件が起きる。トラックの移動販売だから、いろんな場所に朝早くトラックで現地に着き、並べて売って、撤収する。仕入れも会計も全て一人だから、24時間稼動状態だ。子供を保育所に預けに行くと、もうお客さんが待っている状態。もう面倒だ!と100円均一にした。だって値段を決めたり貼ったりする時間が省略できるからだ。戦略があったわけじゃない。「仕方なし」だ。
★【ポイント】前述の「いい品を仕入れるために利益を下げる」も、最初は苦しいが、売上が上がれば仕入れ価格が下がり儲かるようになる。最初苦しいのは授業料みたいなものだ。また、忙しくてやむを得ず行った100円均一が、今やダイソーの金看板になったのも、苦しい中に行き着いたスタイルだ。イチローが苦しい練習を多くした結果、理想のバッティングを手に入れるのと同じ。苦しまずに成功することなんてあり得ないことを教えてくれている。

そして、ある程度お金が貯まったので新しいトラックを買ったのだが、謎の火事によって丸焼け。トラックに詰め込んだ商品は、プラスチックの塊となった。トラックを失い、借金だけが残り、路頭に迷った矢野さんは、今まで移動販売をさせてもらっていたスーパーに頼みこんで、店内にスペースを借り「店頭販売」をはじめた。ところが苦肉の策だった店頭販売が大ヒット! その後たくさんのスーパーや百貨店から引き合いがあり、ダイソーは急成長を始めたのだ。
★【ポイント】トラックの火事が無ければ、ダイソーとの店舗販売展開はもっと遅くなっていただろう。もしかしたら矢野さんはまだ移動販売していたのかもしれない。



波乱万丈の矢野さんの人生。ここで学べるヒントを矢野さんはこう語った。

「人生に無駄は無い。試練を不運と考えるか、試練を感謝するかの差だ」


この言葉の意味を、みなさんの就職活動になぞらえてみよう。


※さて、みなさんの就職活動は「必死」だろうか?「妥協」だろうか?次のページで、考察してみよう。
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