大学生の就職活動/就職活動の選考対策

自己PR&志望動機講座(4ページ目)

自己PRは企業にあてた「是非私に内定を下さい!」というコミュニケーションを目的とした文章だ。コミュニケーションは人と人との間に橋を架ける作業。それには「論理・共感・信頼」が必要だ。

執筆者:見舘 好隆

「論理」という橋を架ける(明確な論拠)

次は「論拠」の考察です。3つめのコーヒーショップ版を例にしよう。このままではコーヒーチェーンしか使えないので、汎用的なスキルに変更してみた。

「コーヒーショップでのアルバイトで身につけた、コーヒーを美味しく作りお客様に喜んでもらう力を、御社で発揮したい」

サービス業なら「お客様に喜んでもらう力」は必要だ。「論点」はずれないだろう。仮に「論点」が一致したなら、次は「論拠」があるかどうかだ。果たしてこの自己PRに「意見」である「お客様に喜んでもらう力」は人事に伝わるだろうか?このままでは全く伝わらない。なぜなら「論拠」が無いからだ。

「論拠」には「具体的エピソード」を用いる。中途採用なら「実務経験」が「論拠」になるが、学生には「実務経験」がほとんど無い。よって、「実務経験」に近い、アルバイトなどにおける「具体的エピソード」で、何とか人事に納得してもらわなければならない。

「スターバックスでバリスタを3年経験し、コーヒーの美味しさは味だけでなく、コーヒーを差し出す際の笑顔や声、挨拶すべてがマージして形成されることを学んだ。ある忙しい日、お客様に“コーヒーが不味くなった”と言われた。味が変わるはずは無い。なのにどうしてと思った時、ウインドーに写った自分の引きつった笑顔に気づいた。我に返った私は、その後笑顔と声にかなり注力し働き、数日後同じお客様に“美味しくなった”と褒められた。御社で接客する時も、この“心のスパイス”を決して切らさないように仕事に取り組みたい」

具体的な勤務先名や勤務年数、専門用語で記してみた。これだけでも自己PRはリアルになる。そして極めつけは「具体的エピソード」だ。これを「論拠」にすることによって初めて「お客様に喜んでもらう力」が証明される。

ほら「論拠」を加味すれば、「なるほど、普通の学生よりいい接客ができそうだ」と人事が思ってくれそうな気がしませんか?


「論拠が無ければ伝わらない」


さて、あなたの自己PRに、「論拠」はありますか?


※次のページで、「共感」という橋を架ける

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