その会社の研修制度を吟味してみる

最後に研修制度について考えてみよう。みなさんはついつい、初任給や賞与の額だけを見ていないだろうか? また、福利厚生施設の有無とか、休暇制度だけを見ていないだろうか? それは甘いぞ。もっとキャリアプラン上、大切なチェックポイントがある。

それは、自分のキャリアを磨く研修制度があるかどうかだ。

例えば、前述した「日産ラーニングセンター マネジメント インスティテュート」や、ソニーの「ソニーユニバーシティ」、ユニクロの「ユニクロ大学」、マクドナルドの「ハンバーガー大学」など、各社いろいろ研修制度を設けている。ただ上司にしごかれるOJT(On the Job Training)より、体系的にビジネスを無料で学べるのであれば、自分のキャリアにとって言うことなしだ。

また、2007年に東京の日比谷にオープンするホテル「ザ・ペニンシュラ東京」は、開業前に日本人を採用し、ザ・ペニンシュラ香港やバンコクにて10ヶ月間研修を行う「ペニンシュラ・アンバサダー・プログラム」を実施する。もちろん研修修了後は「ザ・ペニンシュラ東京」に就職できる。研修期間中はお小遣い程度しかお給料は出ないので、学生のみなさんから見たら「行くわけない!」と思うかもしれない。でもよく考えてみよう。タダでみっちり海外で勉強でき、実力をつけて東京に働けるのだぞ。私から見たらよだれが出るような研修制度だ。日本でOJTするより、遥かに自分のキャリアに箔が付くのだから。。

働いているうちに自分のキャリアが見えなくなった時、「ケイコとマナブ」をみてキャリアを磨くことを考える方法もあると思うが、そもそも勤めている会社にキャリアを磨く制度があれば、言うことはない。追加で貯めたお金を投資しなくて済むし、プライベートの時間も削らなくて済む。

このように、初任給の額がいくら高くたって、たくさん休める制度があったって、キャリアに行き詰ったときにかかるコストや時間を考えれば、それが用意されている会社のほうがトータルで自分のためになる。新入社員の時には覚えることが山ほどあって、研修制度なんて使えないかもしれないけど、仕事に慣れたときのことを考えれば、とても重要なポイントとなるのだ。

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以上、今回は自分のキャリアにおいての会社の「役割」を考えてみた。

自分のキャリアは自分で決める時代になったとはいえ、みなさんのキャリアの第一段階においては、やはりある程度会社に育ててもらうことを考慮に入れるべきだ。目先の知名度や初任給の額、業界、仕事内容だけで選ぶのは、視野が狭すぎる。

また、せっかく努力して内定を取った会社なのに、短絡的に転職を選んでしまわないためにも、自分が成長できる素地があるかどうかは、見極めるべきだ。

もちろん、会社が育ててくれた分は、一生懸命働いて恩返しをしたい。そしてこの会社でもう学ぶことがなくなったら、卒業(=転職または独立)する。

私はそれが今の日本における会社の付き合い方だと思う。



「内定先に入社する決意(前編)」も引き続き読むべし!

※伊勢丹のキャリア開発も結構充実している。

※通信教育や英会話などが割引になる制度は、結構どこにもある。出勤時間としては当然カウントされない。

※ジョブローテーション(定期的にさまざまな仕事を経験する制度)やキャリアチャレンジ制度(他部署への異動を希望する制度)の有無も確認しよう。携わっている仕事にやりがいを見出せなくなったとき、転職をしなくても済むのだから。





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