取引先からのアプローチで白い目に
通信機器販売会社で2年間、派遣社員で営業事務をしているトモミさん。販売代理店の担当者が持ってくる書類を預かる業務も担当していました。ある日、代理店であるA社の社長が、「女性社員に」とケーキを持って来てくれました。お礼を言って、オフィスの中に持っていこうとすると、「トモミさんと一緒に食べたい」と社長が言いました。
トモミさんは、戸惑いました。(定時までに終わらせなければならない仕事は山積み。時間がとられてしまう。それに、女性社員は私一人じゃないから、全員ならまだしも、一人はちょっとなぁ…。)困ったトモミさんが直属の上司に相談に行くと、上司は、「いいんじゃない?」との返事。周りの女性社員にも同様に相談しましたが、「食べてきなよ」と言われました。販売代理店の中でも、売り上げの大きい代理店A社は大切に扱われていることを日々の業務を通じて感じていたトモミさん。やはり、ここで断って、社長の機嫌を損ねるのもよくないだろうと考え、同席しました。
次の日。またA社の社長が違うお店のケーキを持って、会社に来ました。前日と同様に社員に相談しましたが、同じ答えが返ってくるばかり。仕方なく同席しました。その後、少なくとも週に2、3日は、「ご指名ケーキタイム」があり、周りの女性の目が変わってきて、トモミさんは居心地が悪くなってきました。
トモミさんだって、本当なら断りたいのです。でも、会社としては、A社の社長のご機嫌は損ねないようにという方針でした。これも仕事のうちなの? とやりきれない思いでいっぱいです。上司に相談したところ、「控えてもらうよう伝える」とのことでした。また派遣会社にも相談し、困っている事を派遣先に伝えてもらうようにお願いしましたが、状況はすぐには変わりませんでした。
この状況から脱出するには、契約を更新しないという方法もあります。しかし、トモミさんは少なくとも3年は続けようという意思を持って仕事を始めています。これが理由でやめるのは悔しいと思い、しばらく悩みました。ところがある時、ぱったりとA社の社長が来なくなりました。聞けば、新しくA社の営業担当になった社員のトキエダさんが、社長に「周りの女性社員が気分を害してトモミさんが居心地を悪くしている」と助言したそうです。
これまでの日常に戻ったとはいえ、残ったしこりは消えるまでに時間がかかり、仕事以外のストレスがたまった時期を過ごしました。
■仕事がらみの誘いを断れずに起こってしまう恋愛トラブルを未然に防ぐヒント
正社員の営業ならば「お付き合い」というものもあるかもしれません。しかし、派遣社員の場合、そこまでの責任はないはずです。仕事がらみで利害関係のある取引先などからのお誘いは、「断ったら迷惑になって契約も更新されなかったらどうしよう」と心配になるかもしれません。ここはやはり、丁寧にお断りするほうが、結果的には自分を守ることになるでしょう。巻き込まれてしまったら、派遣会社や派遣先の上司にすぐに相談してください。
では仕事だと思っていたら恋愛感情が絡んでいたケースをみてみましょう。