「収益」-「費用」=「利益」

あいまいになりがちな会計用語
これに対し、収益から費用を引いた金額を利益といいます。
式にすると
「収益」-「費用」=「利益」
となります。
実際のビジネスの現場では、「収益」よりも「売上」という言葉のほうが多く使われているでしょうが、少なくとも、「収益」と「利益」の概念の違いはしっかりと理解しておく必要があります。
「収益」、つまり「売上」が100万円のところを「利益」が100万円と思って社内資料を読んでいると、とんでもない誤解をしてしまいます。
会社員の家計にたとえてみましょう。
- 給料の手取り額=収益
- 住宅ローンや家賃、生命保険料、食費、学費など=費用
- 手取りから出ていくお金を差し引いて最終的に自由に使えるお金=利益
「利益額」が大きいほどよいビジネス
- 案件A:収益(売上)1,000万円・利益200万円
- 案件B:収益(売上)200万円・利益100万円
案件Aと案件B、どちらが会社にとって魅力的でしょうか?
「案件Aの利益率は20%、案件Bの利益率は50%だからBの案件が魅力的」と答えるのは早計です。会社は儲けてなんぼですので、利益の絶対額が大きい案件Aの方が会社にとっては魅力的なのです。
極端な例ですが、ここで
- 案件C:収益(売上)20円・利益15円
利益率だけに着目すると、利益率20%の案件Aよりも利益率75%の案件Cのほうが魅力的、ということになってしまいます。こうなると「利益率が高い方が魅力的」という結論がおかしいことは直感的に分かるでしょう。
また、家計簿感覚だと、手取り、つまり収益に目が行きがちですが、会社の力を見るには、利益の金額もしっかり把握しておく必要があります。
利益の種類もいろいろ
ここまで「収益」と「利益」の違いを見てきましたが、一口に利益といっても、いくつかの種類があります。- ■売上総利益
- ■営業利益
- ■経常利益
- ■純利益
立場によって重視する「利益」は異なる
同じ「利益」といっても立場や部署ごとに、上記のどの「利益」を指しているのか、異なる場合があるので注意が必要です。営業部であれば営業利益を重視し、社長であれば最終的に会社に残る純利益を重視するかもしれません。
細かい内容はさておき、各利益のレベルについて大まかに何を表しているのかを理解しておくだけでも、会社の数字の見方が変わってくるでしょう。
※2007年に公開した旧ガイド・森康博さんの記事を全面改定し掲載しています。