ちょっと前置き…ドラマみたいなセリフ
友人の会社に派遣されていた20代の女性。仕事ぶりの評価が悪く、契約更新されないことになりました。彼女も仕事内容に不満を持っていたようで、最後の勤務の日、こう言ったそうです。
「総務課の事務って、社長の娘がやるような、簡単で楽な仕事だと思ってた。
だからこの仕事受けたのに。全然違うじゃないの!」
これを友人から聞いた時…ドラマのセリフみたいだな、と思ってしまった。
ていうか、イマドキのドラマじゃ、ここまでストレートというかカンチガイなセリフは聞かないかもですが。
一般事務の仕事=誰にでもできる簡単で楽な仕事?
「誰にでもできる簡単な仕事」という言葉は、一般事務の仕事の募集に、よく出てきます。
「今の仕事はキツイから、事務に転職したい」というグチ(?)も聞いたし、
「特別な資格とかいらないなら、どうすれば事務職として就職できるの?」と聞かれたこともあります。
ガイド平井はいくつかの会社で、いろいろな仕事を担当してきましたが、内容は違っても、広く「事務」と呼ばれる範囲外の仕事はしたことがありません。
その上で、「一般事務職」として自分がやっていた仕事が、
「誰にでもできる仕事?」と聞かれたら、
また、「簡単」で「楽」かと聞かれたら、
基本YESと答えます。
「簡単」で「楽」かどうかは、何と比べるかで違うので何とも言えませんが、私は「一般事務の仕事」自体が難しすぎてツライから辞めたいと思ったことはありません。
ただ、先の彼女が抱いていたイメージとは、違うのかもしれません。
「簡単」とか「楽」のイメージをカンチガイすると、彼女のように、自分も会社もつまらないことになるのではないでしょうか。
楽な仕事=仕事しなくていい仕事?
彼女が事務職としてイメージしていたのは、ドラマに出てくるいわゆる「OLさん」だったのではと思います。
ドラマに出てくる「OLさん」は、事務職のことが多いですが、ストーリーの都合上、具体的に「仕事」をしているシーンはほとんどありません。
シーンとしては、お手洗いで化粧直ししながらウワサ話したり、せいぜい電話を取り次いだり、お茶を淹れたり…。
「楽な仕事」として連想することが、そういうイメージであるなら、つまり「仕事中あまり仕事しなくていい」ということなら、ゼンゼン違います。
授業中、寝るかケータイでメールして過ごしてた学生さん(私もよく寝てたけど/笑)は、学校と同じように、就業時間が過ぎれば「事務員さん」の時間も終わるように感じているかもしれませんが、会社では、時間が過ぎても仕事が終わるまで終わりません。だらだら過ごせば仕事がたまるだけ。
そして、あまりに仕事が滞れば、自分だけの問題ではなくなります。
大学で、課題を期限内に出せなくても、それは自分一人の問題ですが、仕事が期限内に出来なければ、みんなが困る。
困るから、先輩や上司が助けてくれることもあるかもしれませんが、そんな人は会社にいりません。
当然、居心地は悪くなるでしょう。それって「楽」ですか?
会社は仕事をする人で成り立っている集団。
そもそも仕事する気のない人に、居場所はない。そういう人がツライと感じるのは、実のところ「仕事」そのものではないのです。
では「楽な仕事」とは?「ムリなくやれること」で「普通に評価される」仕事でしょうか。
「楽な仕事」に就きたいと思うのは、ゼンゼン悪いことじゃないし、そういう理由で一般事務職に就きたいと思うのは間違ってないと思います。
それは、一般事務の仕事が、「簡単な仕事」と言われているからですが…。