一般事務で働く・転職する/一般事務の仕事

一般事務の仕事は、簡単で誰にでもできる?(2ページ目)

「誰にでもできる簡単な仕事」という言葉は、一般事務の仕事の募集によく出てきます。「今の仕事がキツイから、楽な事務に転職したい」というセリフもよく聞きますが、それってホントにそうなのでしょうか?

執筆者:平井 実穂子

カンタンな仕事=責任のない仕事?

カンタンな仕事は責任がなくていい。それなら私にもできるかな。

そういう風に思う人は、何より事務職には向きません。
一般事務職の、『カンタンな仕事』こそ、会社にとって最も重要な仕事だったりするからです。

例えば、郵便物の投函。

ベテランさんがいくらカンペキに請求書を作成していても、先方に届かなければ意味がありません。うっかり投函を忘れたり、他の書類の間に挟んでなくしてしまっていたら…。月末に振り込まれるはずのお金が入らない。資金が足りない!…なんてことになるかも。

例えば、売掛金の入金チェック。

違う会社の売掛金を「入金済」にしてしまい、すでに入金済の会社に営業さんが督促の電話をかけてしまった!
先方は怒り、今後の取引に影響してしまった…なんてことも十分あります。

「すみません。忘れてました」
「一行間違えちゃいました」

ミスの内容は「うっかりしてた」と言える程度のものでも、その破壊力は自分で思うより重大。
例えば、普通の会社では、「うっかりミス」の結果を報道されることはよほどの事件でない限りありませんが、警察や公の機関のことなら、最近ニュースで報道されただけでもいろいろあります。

・採用試験の日付を間違えて案内してしまい、遠方から受験者が来てしまった
・容疑者の個人情報を管轄の警察にFAXする時、短縮番号を間違って新聞社に送ってしまった

…「うっかりミス」の怖さが理解できると思います。
カンタンな仕事だからこそ甘くみず、確実にこなすという自覚がなにより必要なのです。

誰にでもできる仕事=やりがいのない仕事?

ここまで読んで「なんかクダラナイな~」と思う方もいるでしょう(笑)。

「誰にでもできる仕事なんて、そもそもやる気になれない。そんなのやりがいないじゃない」

自分で事業を立ち上げて、成功した人のインタビューなど読むと、
「最初は就職して事務をしてましたが、自分には合わないと思いました」なんて言葉はよく出てきます。

ですが、それを読んで、働く前から「事務の仕事ってやりがいがないんだな」と思うのは早すぎます。
だって、インタビューでそう答えた方は、経験も浅く、自分のやりたいこともはっきりしない時代に、少なくとも、事務職として採用されているのだし、
そしておそらく「合わない」という結論を出すまでは、真面目に取り組んでいただろうと思うからです。

やりがいは、自分で決めるもの。職種や難易度に関係ありません。「やりがいのある仕事」という名の「仕事」はありません。

「今の仕事はやりがいがない」「こんな仕事じゃヤル気が出ない」、と思う人は、仕事のせいにする前に、
「誰にでもできる」と言われる仕事を、「自分はホントにできているのか?」と胸に手を当ててよ~く考えてみてから結論を出しても遅くはありません。
そもそも「やって(できて)」ない仕事に、甲斐のアリナシを求めても意味ないです。

アタリマエのことですが

誰にでもできる、カンタンで楽な仕事と言われる「一般事務の仕事」。
経験も、特別な資格もいらない求人も多く、それは間違いではないでしょう。

でも、「カンタン」だから手を抜いていいわけではない。
「誰にでもできる仕事」だから、責任がないわけではない。

仕事なのですから。

アタリマエのことですが、真面目に取り組むキモチがない人は、「誰にでも」の「誰」に入る資格はないのです。

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