コラム『ハケンの品格』連載中!

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第5話
なぜ正社員はお昼が半額なのか?

いつもの定食屋さんでお昼を食べ損ね、派遣先(「S&F」)の社員食堂に連れてこられた大前さん。でも…。

「ここでは食べません!正社員が350円のカレーが、外部の私たち(ハケン)は倍の700円もするからです」

画面に映ったカレーのサンプルを見る限り、700円は高い!700円出せば、ココイチでカツカレー食べてもおつりが出ます。
社員食堂があるのにハケンの利用率が低い理由がよくわかりました。

それさておき、なぜ正社員は半額なんでしょうか?


社員に対する福利厚生の一環として、昼食を安く提供する。これを採用している会社は結構あります。
会社を通してお弁当を頼めば、割安で買えるとか。さらに支払いも1ヶ月分まとめて後払いで給与から控除されたり、こういう制度があれば嬉しいですよね。

「お昼くらいケチケチせずに会社で全額負担してよ」と思ってる方も、ひょっとしていらっしゃるかもしれませんが、昼食を会社から支給されると、現物給与として所得税課税されるのです。

給与として課税されないためには、カンタンに言えば、

1.社員が半額以上を負担している
2.会社の負担は1ヶ月1人当たり3,500円まで


という決まりがあり、この範囲内で提供しているケースは多いです。

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食事を支給した時(タックスアンサー/国税庁)

このカンケイがよくわかるのは、コンビニやファミレスなど使える、「バウチャー」を支給されてる方。
1ヶ月分の「バウチャー」の綴り、7,000円分ではないですか?
なんで7,000円なんだ?と、密かにギモンに思っていた方…謎が解けたのでは。

例えば、給与から「食事代」として3,500円控除されているなら、差額の3,500円を会社が負担しています。勘定科目で言えば「福利厚生費」等の経費として計上しているということです。

ですがこのように、実際に会社がいくら負担しているか、そもそも負担してくれているのかが、はっきりわかる場合は少ないです。
例えばお弁当が1食いくら、と決められていても、お弁当業者にいくら払っているかは、経理や事務担当者でないとわかりませんよね…。
相場より安い理由は、会社が一部負担しているからじゃなく、毎日決まった数の注文するなどの理由で、個人で買うより安くしてくれているからかもしれません。

「S&F」の「正社員は半額」についても、社員は「会社が半額負担してくれている」と考えているかもしれませんが、それはおそらく違います。
なぜなら、毎日カレーを食べる社員に毎日350円会社が負担していると、会社が負担するのは1ヶ月3,500円までという所得税法の決まりを軽く超えてしまうからですね。

社員食堂の経営を外部に委託していると考えれば、正社員は50%OFFするシステムがあるだけ。実際に業者に支払われる額は、700円ではなくもっと安いハズ。
もしも、単純に「売上額」を渡しているなら、正社員に「半額」で売ろうと、ハケンに正規価額?で売ろうと、委託先の売上と原価にかかわることで、「S&F」が負担する経費ははありません。

まあ、社員にとっては、安くお昼が食べられれば、どちらでもいいことなのですが。

それにしても…仮にカレーの原価を一杯あたり280円と仮定すれば、

「S&F」社員食堂のカレーの「損益計算」

カレーの味も原価も同じなのに、ハケンが食べると利益は3倍!収入の少ないハケンで儲けるなんてちょっとヒドイのでは…大前さんの「ここでは食べません!」という頑な態度にも納得できます(笑)。


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