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もっと身近に「売上」と「原価」~後編~(2ページ目)

経理事務担当者でなくても知っておきたい「売上」と「原価」について。後編では「原価」と、資料作成によく出てくる「売上構成比」「原価率」について説明しています。

執筆者:平井 実穂子

売上構成比とは

アイスココアの原価は、ウーロン茶よりずっと高い。それならランチセットで選べるドリンクから、アイスココアを外してしまおう!
一杯当たりの利益を考えるとそれも良いかもしれませんが、セットで選べるドリンクの種類が多いということが、ランチセットの「売り」のひとつであると考えれば、この選択は逆効果になるかもしれません。

これを判断するための資料として、「売上構成比」というものがあります。
全ての売上額を100とした時の、アイテム毎の売上額の割合です。

例えば、ランチセットのドリンクに、何が選ばれているか…こんな風に表します。

(単位:千円)

やはり食後はコーヒー派がダントツ。ココアを頼む人は少数。
これがわかれば、ココアの原価が高くても、影響は少ない。むしろ、選べる種類が多い方がいいかな、という結論も出せます。
もちろんココアの安い仕入先を探す、というのは勿論ですが。

原価率と利益率

オーダーエントリーシステムを導入しているファミレスのように、アイテムごとの構成比を把握していない、する必要のない業種でも、おおまかに売上の種類を分け、それぞれの原価を管理している会社は多いです。

よく見る損益計算書の、売上総利益部分までは、このように表示されていることが多いですが、これは発表用に「縮めて」いるもの。

(単位:千円)

実務で作成する損益計算書は、このようにそれぞれの売上に対になるように、原価の額を表示することが多いです。
同時に、資料には、売上構成比、原価率、利益率という、比率を表示することも。
(単位:千円)

原価率は、売上高に対する、原価の割合。これが高いほど利益は低くなります。
売上の種類ごとに、「正常な原価率」「目標とする原価率」を決めて比較すれば、現在の状況がよくわかります。

利益率は、その反対。売上高に対する利益の割合です。ただし、「利益率」という言葉は、「売上総利益」に対してのみ使われるものではないので注意して下さいね。「売上総利益」は、「粗利(あらり)益」とも言うため、「粗利率」と言うこともあります。


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