保険者の解釈、運用の温度差
5つの保険者(自治体)に問い合わせた結果は……。■保険者A
利用者は事業所と契約しているので、担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行ったからといって、即、減算ということはない。しかし、本来、担当のケアマネジャーが行くものであると考えているし、正当な理由なく、担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行くことが頻回で、利用者や他の事業者からクレームがあれば調査し、必要に応じて指導する必要があると考える。
■保険者B
介護保険法の解釈通知などを見ると、ケアマネジャーには1ヵ月に1度以上、利用者宅を訪問すること、それを記録に残すことは定められている。また、実質的に固定のケアマネジャーが利用者を担当すると定められているように読み取れるが、それ以上の細かい規定はない。そのため、担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行ったからと言って、減算になるとは考えていない。
■保険者C
担当ケアマネジャーが急病などにより、モニタリングに行けない場合、他のケアマネジャーが代わりにモニタリングに行ったからといって、減算になるということはない。しかし、おおむね3ヵ月程度以上、担当のケアマネジャーがモニタリングに行けない場合は、担当を変更するなどの対応が必要と考える。
■保険者D
モニタリングは誰が行ってもいいわけではない。事業者に「担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行ってもいいですか」と聞かれれば、役所としては、当然「ダメ」と答える。これを受けて、自主的に減算して請求している事業者もいる。しかし、別のケアマネジャーがモニタリングに行ったからといって、こちらから減算にしたことはない。ただし、1ヵ月以上、病欠が続いているのに、新しいケアマネジャーを雇っていない場合などは減算になる。
■保険者E
特に規定はない。何ヶ月以上、担当のケアマネジャーがモニタリングに行けない場合は担当を変更すべき、等の指導も特にしていない。
「減算して請求している」と言っていたのは、保険者Dの事業所。自主規制で、減算にしていたようです。結局、担当以外がモニタリングに行かないからといって、即、減算するよう指導している保険者はありませんでしたが、介護保険法の解釈、運用の姿勢に保険者によって差があるように感じました。
介護保険法の解釈、運用については、少し前に、家族と同居している利用者に対して、訪問介護の生活援助サービスを提供できるかできないか、保険者によって解釈・運用が大きく異なっていたことが問題になりました。
これについては
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