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ショートステイの難しさとおもしろさ(3ページ目)

数日から1週間程度、要介護者を受け入れて、日常生活上のケアや機能訓練などを提供するショートステイ。介護のプロにこそチャレンジしてほしい職場です。

執筆者:宮下 公美子

「介護のプロ」こそショートステイへ

ギリギリのところで介護している家族が、レスパイトのためにショートステイを利用したいと申し込んできたとします。そのときに要望されたケアを『できません』と突っぱね、どこも受け入れなかったら、その家族は休息が取れず、共倒れになってしまうかもしれません。あるいは在宅介護を放棄してしまうかもしれません。そう考えると、無下に要望を断ることはできない。そう考える事業所もあるでしょう。こうした、家族の思いに寄り添ってこそのプロ、という考え方は否定できません。

といって、家族の気持ちに配慮して、「できるだけやってみます」と受け入れたらどうなるか? 困難なケアを引き受けることになり、現場は時間的にも精神的にも肉体的にも大きな負担を強いられることになります。事故のリスクにもさらされるでしょう。実際、ショートステイは非常に事故の多い職場だと言われています。それは、利用者自身、自宅ではない場所に来て心身ともに不安定になるせいもありますが……。

いずれにしても、対応は簡単ではありません。家族への対応も含め、ショートステイは求められる対応力のレベルが高いのは事実です。
しかしだからこそ、おもしろい。

介護はケースバイケースですし、こう対応するのがベストという教科書的な正解はありません。どのようなケアが提供可能なのか。あるいはどのようなケアを提供したいのか。それを職場で議論し、皆で知恵と技術を出し合い、提供できる安全で安心なケアのギリギリのラインを探っていく作業は、「介護のプロ」だからできること。経験を積んだプロにこそ、ショートステイで力を発揮してほしいと思うのです。

そして、そんなプロの力で、介護に疲れた家族を支えてほしいと思っています。

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