◆INDEX◆
1P目>>介護職の判断による投薬の怖さ
2P目>>誤った思いやりに注意
3P目>>事実関係の確認・原因究明・再発防止策
介護職の判断による投薬の怖さ
ユーザーの方からいただいたメールは次のようなものでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の父はアルツハイマーと認知症、脳梗塞、高血圧などの既往があり昨年は大腸癌で手術を受けました。現在要介護4で週に4回のデイサービスを利用しています。S状結腸を切除したため便をためておくことができず、よく間に合わずに失禁することがおおくなりました。
排便のコントロールは少しずつですができるようになりましたが、ショートステイなどを利用すると環境が変わるためか、便秘しがちなので、医者に相談しました。
ラキソベロンという下剤を処方され家族の管理のもと 様子を見ながら適宜調節しコントロールしています。
理由はどうあれ、介護職に投薬行為は許されない |
家でラキソベロンを飲んでいることを知らないデイサービスの職員が、父の「便がでなくて困っている」という言葉を聞き、かわいそうに思い 医務室にあったアローゼンという下剤を医師の処方もなしに勝手に、使用量も適当に服用させてしまったのです。
このことについてどう思われますか?
私は利用者の家族として 日常的に行われているこの行為に不安を持ってしまいました。父はそのあと自宅にてひどく下痢をし、苦しい思いをしました。またこれらの事を職員からではなく、本人から耳にし、知りました。施設からの謝罪はありません。
「便がでたんだからよかったじゃない」・・・本当にそれでよいのでしょうか?
たかが下剤かもしれませんが、使用量をまちがえば大変なことになります。一度に突然起こる便意によって血圧が急変するかもしれないし、眩暈をおこすかもしれない。
常に「どんな危険があるかを予測しながら行動する」ということも、介護に携わる者としての大事な心構えだと思うのです。
爪きりや湿布もそうです。深爪をしてしまったときの適切な消毒のしかたはどうか。抵抗力はどうなのか、感染は?また、湿布はかぶれだけでなく、光線過敏症などの副作用の多いことや全身のむくみ、発疹などを起こすこともある、など目に見えない危険性はたくさんあります。
もし介護するヘルパーにも医療行為を解禁していくのであれば それにともなう医学的知識も求められるでしょうし、課題が多いと思います。医療行為の技術は経験があれば誰にでもできるでしょう。しかし これからは 医療の知識、予測される危険、問題点をもっと追求できる人材を育てることが必要なのではないかと、私は考えます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みなさんはこのメールを読んで、この事故についてどう思いましたか?
介護職の医療行為について、どう思いましたか?
ぜひ、こちらにご意見を書き込んでください。
このケースでは、後日、ご家族がデイに問いただしたところ、「一切そのような行為はやっていない」という返答しかなかったそうです。このような事故があり、しかも、サービス提供側から「やっていない」と言われると、利用者やその家族は精神的にダメージが大きく、不信感が募ります。利用者によっては、サービス利用を打ち切ることもあるでしょう。
このケースにおいて、私が感じた問題点は次のページで。
「介護・福祉業界で働く」サイトトップへ