採算度外視の事業
説明会に参加してみて、非常にユニークな事業であり、働く側としても働きやすいし、サービスへの入居者からのニーズも高いだろうと思いました。しかし、有料になった場合、利用する入居者はどれぐらいいるのか。また、サービススタッフに「無理のない範囲で」と言い続けることによって、どれぐらい責任感をもって業務を請け負うスタッフが定着するのか、という疑問もあります。説明会終了後、社長の楓氏(注/取材当時)に声をおかけし、立ち話なので充分ではありませんが、この事業についてのお話を伺ってみました。
Q 生活支援サービス事業をはじめたきっかけは?
楓氏 ライフコミューンが運営しているホームに入居した方には、自分の居室に閉じこもってテレビばかり見ている、家族も忙しくてなかなか付き添えないという方も多いんですね。人生の仕上げの時期に来ているというのに、そんな毎日じゃ寂しいじゃないですか。本当は、施設の介護ヘルパーがお相手をできればいいのですが、それは実際問題、難しい。もっと生活を楽しんでいただくために何ができるかを考えたとき、思いついたのがこの事業でした。はっきり言って、採算は度外視。当面はほかの事業で稼いで、この事業を支えるつもりです。
Q 試験的にサービスを提供してみていかがですか?
楓氏 まだ提供させていただいている入居者様の数が少ないので、あまりはっきりしたことは言えません。しかし、たとえば49人入居されているホームでサービスを行ってみたところ、「どうやったら頼めるの?」「私もお願いしたい」という声を48人の方からいただきました。ニーズは高いと思っています。
何より、認知症で表情のなかった方が、このサービスを利用しはじめたことでどんどん表情が出てきて明るくなってきた、というような事例があったんですよ。このサービスの意義を感じましたね。
Q スタッフに応募されるのはどんな方が多いですか?
楓氏 圧倒的に女性ですね。若い方では高校生の方もいましたが、さすがにお断りしました。正直言って、こちらが求めていた対象とは多少ズレがあります。もっと男性、中でも退職した男性が来てくださるとありがたいのですが。高齢社会といっても、高齢者で要介護なのは15%で、残りの85%は元気なんです。この元気な85%が要介護の15%をケアできれば、高齢者雇用問題の解決にも役立つし、いいと思いませんか? 年齢が近い方が話も合いやすいですしね。
先日行った説明会では、ある大手企業の取締役まで務めた方が参加してくださり、「こういう仕事を待っていたんだよ。いくらでもやるよ、任せておきなさい」と言ってくださいました。ありがたかったですね。体が元気で、経済的にも安定している退職男性にこそ、
この仕事をやっていただき、ご自身の生活のハリにもしていただければと思います。
もちろん、主婦の方など女性も歓迎です。ただ女性にしても男性にしても、報酬は決して高くありませんし、普通のアルバイトと同じ感覚で来られては困ります。敬意を持って高齢者をサポートしようというボランティア精神のある方に来ていただきたいですね。
Q 実際のサービス提供上で想定される課題は?
楓氏 サービススタッフにどこまでやっていただくか、という線引きで課題が生じるのではないかと思います。おそらく、ライフサポートがサービススタッフに依頼した以外の業務を、現場で入居者様やホームの介護ヘルパーから頼まれるケースがあるでしょうからね。契約上できないと断るよう、説明会ではお話ししていますが、実際には断りきれないケースもあるかもしれません。そのあたりは、サービスを提供しながら修正していきたいと思っています。また、付添サービススタッフは随時募集していますので、興味のある方はぜひ下記までご連絡いただければと思います。
▼宮下より▼
まだスタートしたばかりで、どうなるのかな~という思いもありますが、とても意義のある事業だと思います。大定年時代、団塊の世代がこうしたサービススタッフになってくれたら、歓迎されるのでは? 宮下も「生活を優先させながら」「無理のない範囲」でやってみたいと思っています。業務が始まったら、またご報告しますね!
▼付添サービススタッフ募集についての問い合わせ先▼
神奈川県川崎市川崎区藤崎3-6-1
株式会社アライアンス
ライフサポート事業部 採用係
電話 044-270-6194
FAX 044-277-5192