2008年3月13日に民主党の厚生労働部門・医療介護改革作業チームが行った「介護保険制度の現状と問題点についてのヒアリング」を傍聴してきました。意見を発表していたのは、横浜市介護支援専門員連絡協議会と、介護保険の利用者調査を行ったNPO法人市民シンクタンクひと・まち社。

民主党
会議には、民主党ネクスト厚生労働大臣山田正彦議員のほか、介護問題に詳しい、ネクスト厚生労働副大臣山井和則議員など10名ほどの議員が出席していた
中でも、横浜市介護支援専門員連絡協議会を代表して出席していた男性ケアマネジャー2人の意見には、一つ一つ、もっともだとうなずかされました。その場で紹介された意見は、現職ケアマネジャーの方たちのさまざまな思いのごくごく一部だと思います。そのごく一部にも、これだけの強い思いがあることから、ケアマネジャーの方たちを取り巻くさまざまな矛盾や理不尽、不合理に改めて気づかされました。紹介された意見の一部を報告し、ケアマネジャーを取り巻く厳しい状況について考えます。



◆INDEX◆
1P目>>【担当件数オーバーで一律、報酬カットの理不尽】
2P目>>【サービス担当者会議、一律、半年に一度開催の不合理】
3P目>>【専門職として信用されていない悔しさ】

担当件数オーバーで一律報酬カットの理不尽

今回の意見は、横浜市介護支援専門員連絡協議会が2007年3月から4月にかけて実施したケアマネジャーに対する調査を元に話されていました。この調査の対象は、横浜市内に勤務する介護支援専門員と地域包括の主任ケアマネジャー等。1561部を配布し、790部を回収したとのことでした。

まず最初に強く訴えていたのは、担当件数のこと。
担当件数が標準35件になったことは、しっかりケアマネジメントするには妥当な件数だとして、ケアマネジャー全体にも歓迎されていると報告。しかし、問題は報酬単価にあることを指摘。現在の単価では事業が成り立たない、特に逓減制により報酬が下がることの理不尽さを訴えていました。

逓減制というのは、35件を標準担当件数として39件までは満額の介護報酬が得られますが、40件以上60件未満が40%減算、60件以上になると60%減算されるという厳しい制度です。出席していた一人のケアマネジャーのかたは独立型の居宅介護支援事業所を運営しているとのこと。逓減制は、特に独立型の事業所では死活問題であることを指摘し、改善を訴えていました。

実際よくあるのは、それまでサービス利用のなかった利用者が、福祉用具レンタルを希望してきたケース、あるいは、入院でいったん契約終了していた利用者が、退院して契約復帰したケース。こうしたケースを引き受けたことにより、1件オーバーすること。

また、勤務していたケアマネジャーが体調不良で長期欠勤、あるいは急に退職し、後任が採用できないこともあるそうです。こうしたことにより40件すべてが40%減算されるというのは、たしかに非常に厳しいと思います。

厚生労働省が、妥当な件数をしっかりケアマネジメントしてほしい、ということで標準件数を設定したことはわかります。ペナルティを付けないと、適切なケアマネジメントが不可能なほど、法外な件数を担当するケアマネジャーも一部出てくるから、という論理もわかります。しかし、全件数を40%減算にせずに、オーバーした分だけ40%減算にしてもいいのではないかという気がします。

また、同連絡会の調査報告書には現場の声として、「この給付額で事業が成り立つようなモデル事業を提示してほしい」という意見が書かれていました。裏を返せば、この報酬で事業は成り立つわけがない、ということ。逓減制で40%カットされたら、赤字転落は必至です。40件を超えそうになったら、新規利用者はすべて断り、福祉用具だけの利用のかたは他の事業所に紹介すればいい、ということなのでしょうか。それではあまりにも、現場不在、利用者不在ですよね。

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