介護・福祉業界で働く・転職する/介護・福祉業界の仕事

特別養護老人ホームってどんな職場?

高齢者の終(つい)のすみかである入所施設、特別養護老人ホーム(通称、特養)。そこで働く職種、その仕事内容などの紹介です。

執筆者:宮下 公美子

介護の職場ってどんなところがあるの? という疑問に答えるシリーズ。職場、そこで働く職種、その仕事内容、勤務体制、採用について紹介します。第1弾は特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)について。

どんな施設?

特別養護老人ホーム、略して特養は、身体や精神に障害などがあって、家庭での介護が難しい高齢者が入所する施設。介護保険制度上は介護老人福祉施設という。入所者にとっては生活の場であり、終の棲家となる。

従来は4人1部屋だったけれど、厚生労働省は個人の尊厳を重視し、2002年度以降に新規開設する特別養護老人ホームは、原則として「新型特養」、つまり全室個室・ユニットケア方式とした。ユニットケアというのは、10人程度の入所者をワンユニットとしてリビングスペースなどを設け、家庭的で目の行き届いたケアを提供すること。

介護保険制度上の職員配置最低基準では、入所者3人に職員1人という体制になっている。

どんな職場?

生活の場であり、終の棲家となる特別養護老人ホームでは、自立に向けて積極的な介護を行うというよりは、日々の生活に寄り添う介護が中心。ここが、原則として3カ月で自宅へ帰れるよう機能訓練などを行う老人保健施設との違う点だ(といっても、最近はとみに老人保健施設が特養化していると言われているけれど)。

そういう点では、入所者を長い目で見て、じっくりと関わっていきたい、快適な毎日を過ごせるよう支えたいという人に向いている職場では。しかし、自分自身でモラル維持や介護技術のレベルアップを心がけていないと、ルーティンになりがちな日々の仕事に流されていってしまう危険もありそう。


どんな職種?

特別養護老人ホームで働いている職種とその仕事は……

●介護職員
【仕事】 ケアワーカー、ケアスタッフ、介護ヘルパーなど、職種名は施設によりいろいろ。入所者の食事介助、入浴介助、排泄介助、おむつ交換、着替え介助、話し相手やレクリエーション運営などを行う。

新型特養は、プライバシーが守られるなど入所者にとってメリットが多い。しかし職員配置が増員されないまま導入されたため、介護職員にとってはベッドからの転落防止にさらに気を配らねばならなくなるなど、負担が大きくなったという声もある。

【勤務】 多くは早番(7:00頃~16:00頃)、日勤(9:00頃~18:00頃)、遅番(10:30頃~19:30頃)の3交替制で、夜勤(16:30頃~翌9:30頃)もある。夜勤は月4~6回。勤務体制は4週8休が多い。

【採用】 介護保険制度上、特養を始めとした施設の介護職員に資格要件はない。つまり、無資格でも介護職員として働ける。しかし実際の求人では、最低でもホームヘルパー2級 修了以上でないと就職は難しく、介護福祉士 資格を求める求人もかなり多くなってきている。また、最近の求人は非常勤が増えているので、常勤での雇用を望むなら、介護福祉士資格は必須と言ってもいいかもしれない。

>>>次は「生活相談員」「介護支援専門員(ケアマネジャー)」
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