体重減少に注意する高齢者介護施設での栄養管理
体重減少を食い止める栄養量の決定を検討。コスト面の難しさもある。 |
秋山さん:
食事時間に利用者様が食べている様子を実際に見たり、時には食事の介助をして、喫食量、食事形態、姿勢を確認しています。食事の咀嚼ができているか、食事の残し方などを見せてもらっています。
そして栄養ケアプランや食事計画を立て、生活相談員と連携してご家族に説明します。1ヶ月にだいたい30人はプランを見直し、進めています。
利用者さんの体調を管理をするために看護師や介護スタッフ、ヘルパーからも状態を聞き、相談して進めています。当園では身体計測は介護スタッフが、生化学検査は看護師が担当しており、それをまとめるのが管理栄養士の役割になっています。体重減少率や食事からのエネルギー摂取量などのデータを表にして、ケアプランを立てています。
ガイド:
どんなケースが多いですか?
秋山さん:
体の栄養状態は悪くない、つまり検査データには問題がないのに体重が減少する方がいます。傾向として粥食やミキサー食の方に体重減少が多いことがわかったんです。必要な栄養量をとるため、粥の量を増やせるように茶碗の大きさを見直すことや、ミキサー食にタンパク質を加えることを決めて調整しているところです。
ガイド:
栄養管理をすすめるにはどんなことが必要ですか?
秋山さん:
病態とライフステージ別の栄養に関する基礎知識は必須です。特に高齢者というライフステージの栄養学については、必ず知っておかなくてはならないですね。高血圧や心臓疾患がある方も多く、経腸栄養の方もいますから、病態の知識は必要です。
他職種と仲良くなれるような関係を築けるハート、わからないことは人に聞けることも必要です。それぞれが専門家であり互いの立場があるので、その違いを理解しながら協力しています。そのための交渉術があると良いかもしれません。
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