2005年の介護保険制度の改正後、介護保険施設では管理栄養士を中心とした他職種協働による栄養ケアマネジメント体制が導入されています。これを機に、管理栄養士はそれまでの給食管理業務中心から、人間の栄養状態をみる業務へと役割が移行しました。この栄養管理を担当する職種の求人数は増えています。今回は埼玉県吉川市の特別養護老人施設、社会福祉法人平成会「吉川平成園」の管理栄養士、秋山ゆかさんに、実際の業務についてうかがいましたのでご紹介します。
認知症7~8割、介護度3.5の施設での管理栄養士業務
社会福祉法人平成会、吉川平成園、管理栄養士の秋山ゆかさん。健康運動指導士、糖尿病療養指導士、人間ドック療養指導士。対面で相手の表情、姿を見ながら栄養相談をしたい。 |
まず初めに、施設や担当している業務について教えていただけますか?
秋山ゆかさん:
当園は定員が93人の特別養護老人ホームで、デイサービス、居宅・在宅支援事業、ケアハウスを併設しています。デイサービスが30人、ケアハウスが29人という規模です。利用者様の7~8割が認知症で、介護度は平均3.5です。
主な仕事は食事を提供する給食業者の業務管理と、利用者様の栄養管理です。
食事は1日3回と10時のお茶、15時のおやつがあり、食堂で提供します。食数は利用者と社員をあわせて、昼食に約170食、1日510食ほど提供していて、エネルギーコントロール食や塩分コントロール食などがあります。厨房業務全般は給食会社に委託しているので、献立作成や在庫管理はその会社の栄養士がとりまとめ、9人体制で行っています。私は献立の原案や最終確認をしたり、調理業務への助言、配膳のチェックをしています。献立は肉や魚料理が重ならず、季節の野菜や植物性食品を多めに入れてもらっています。
他に、入居者や利用者に対して栄養に関する講話やイベントにもかかわっています。
次のページでは、高齢者介護施設での栄養管理についてご紹介します!