介護・福祉業界で働く・転職する/介護・福祉業界の仕事

ヘルパー2級はなぜ転職に有効か

介護職員基礎研修が始まっても、介護・福祉業界で最も求められている資格はやはりホームヘルパー2級。ヘルパー2級は本当に転職に有効なのか? 仕事内容や給与水準までまとめて解説します(2007年2月12日一部加筆)。

執筆者:宮下 公美子

ヘルパー2級はなぜおすすめの資格なのか?

今、介護・福祉業界の求人で、最も求められている資格はホームヘルパー2級(注1)。新しい介護職の導入研修である【介護職員基礎研修】が2007年2月にスタートし、ヘルパー2級の扱いは今後どうなるのか? と不安に思っていたかたも多いと思います。この件については、ガイド記事「ヘルパー2級はなくなるか?」などのシリーズ記事に詳しく書きましたが、ヘルパー2級も当面はなくなりません。

しかしヘルパー2級は、いまも転職に有効なのか? と思いますよね。そこで仕事内容や給与水準まで含め、未経験からの介護・福祉業界への転職にホームヘルパー2級がおすすめな理由をまとめて解説します。

【理由その1】求人件数が多い
介護保険制度開始以来、現場の採用担当者に話を聞くと、一貫して、「人が足りない」「求人広告を出しても人が集まらない」「いい人がいない」という声をよく聞きます。

中でも、最も求人が多いのがホームヘルパーです。この場合のホームヘルパーというのは、訪問介護事業所で、在宅の高齢者や障害者など利用者宅を訪問して家事援助や身体介護などのサービスを提供する職種のこと。多くは、正社員ではなく非常勤の登録制で、仕事があるときだけ自宅から利用者宅に出向いて、ホームヘルプサービスを提供するという形態。

この登録制ヘルパーへの求人はとても多く、大規模な事業者であれば常時募集しているような状態。「ヘルパーが足りなくて利用者からのヘルパー派遣依頼を断っている」という事業者もいます。求人が多いというのは、間口が広い、つまり年齢制限や実務経験などの求人要件がゆるやかだということ。これが、ホームヘルパー2級が転職に有効な資格だという第一の理由です。

【理由その2】短期間でも取れる
おっと、その前に、ホームヘルパー2級とはどんな資格かを解説しておくべきでしたね。こうしたホームヘルプサービスを提供するのに、介護保険の制度上最低限必要な資格は、わずか60時間で修了できるホームヘルパー3級。しかし3級資格はもう介護報酬の設定廃止が決まっていて、求人はなく就労は困難。事実上、130時間の講習が必要なホームヘルパー2級講座の修了者が、介護の仕事につく入り口の資格となっています(詳しくはガイド記事【1~3級ヘルパーはどう違う?】を見てくださいね)

130時間のホームヘルパー2級講座を修了するには、3カ月から6カ月かかるのが平均的。でも私の知っている限り、最短の講座で、1週半(8日間)の集中講義、施設見学・実習2日間、同行訪問実習2日で修了できるコース(注2)があります。修了までは約1カ月。これなら私も、と心も動くというもの。

そもそもホームヘルパーは国家資格ではなく公的資格。介護や福祉についての知識、経験が全くなくても、講座を修了すれば試験を受けることもなく「ホームヘルパー2級」の修了証がもらえて、その日から「ホームヘルパー2級修了者です」と求職活動できるのも、未経験者にはうれしいところ。

そんなわけで、ホームヘルパー2級は、未経験から介護・福祉業界への転職を目指す人たちに人気だし、おすすめの資格だというわけです。

(注1)中央福祉人材センターの2001年9月度求人データでは、有効求人24295件の47.2%が、ホームヘルパー2級を資格要件としている。以下、「資格不問」30.0%、「看護職」19.7%、「介護福祉士」18.9%と続く。

(注2)三幸福祉カレッジの「ホームヘルパー2級講座短期集中コース」。講義、実習以外に同時並行で自宅学習も必要。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡校あり。「短期集中コース」を実施している地域、時期については、下記に問い合わせを。
●フリーダイヤル 0120-294-350

→次のページは、「本当にすぐ仕事は見つかるのか?」
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます