病院の栄養士になるには?
管理栄養士が担当する食札業務。 |
栄養士・管理栄養士の中で、病院・クリニックなどの医療業界で働くことを目指している方がいますが、どうすればチャンスがありますか?
濱さん:
待っているのではなく自ら積極的に動くべきだと思います。インターネットや携帯サイト、求人広告をマメにチェックするのはもちろん、実習先や学校の先輩に相談してみるのはいかがでしょうか。病院直営の栄養部は一般企業や給食委託会社より遅く、9月以降に募集を始めることが多いです。直営病院に勤めたい場合は、不安だと思いますが諦めないで下さい。
私が就職活動をした時は、慈恵医大栄養部の試験を受けられる学校推薦枠からもれてしまったのですよ。それでもあきらめられなくて実習先だった病院栄養部の課長に直接電話をして、「受けさせてください!」とお願いをして、運良く採用になったのです。
ガイド:
病院の栄養士・管理栄養士の仕事を続けていくには、どんなことが必要でしょうか?
濱さん:
日々の勉強と自己管理が必要だと思いますね。食品業界は次々と新製品を開発し、医療は日々進歩しています。さらにマスメディア、インターネットの普及から患者様や一般の方への情報量が増えています。栄養士・管理栄養士は食のプロフェッショナルなので、正しい情報を得て対応することが必要ですね。また栄養相談をしていると患者様から、「管理栄養士さんも普段から食生活を気にしていますか?」「運動はしていますか?」「体型を保つための努力をしていますか?」と聞かれることがあります。栄養士・管理栄養士は自らBMIを適正に保ち、適度な運動や規則正しい食生活を送るなどさまざまな面から自己管理する必要がありますね。
これから病院の管理栄養士としてやっていきたいことはどんなことですか?
ガイド:
医療業界の栄養士・管理栄養士の将来性をどう思われますか?
濱さん:
高齢化が進んで入院患者の食事が多種多様化してくると思います。そうなると、ますます病院栄養士・管理栄養士の役割は重要になり、より一層求められると思います。そして患者様の病態に応じた適切な食事を提供し、治癒あるいは回復をはかることは給食業務の基本理念です。患者様がいる限りそれは変わらないと思います。
ガイド:
濱さんはこれからどのような活動をしていきたいですか? 希望を聞かせてください。
濱さん:
病棟にメディカルスタッフルームを設置し、看護師などほかの専門スタッフとともに管理栄養士が常駐できる体制をつくりたいです。そうすれば患者様の状況や要望を聞き、迅速な対応ができるようになります。さらに他のメディカルスタッフとの連携もしやすくなると思うのです。
ガイド:
それはよい考えですね。すぐに対応ができれば、給食管理などで素早く動けますね。ぜひ実現してください。最後に読者へメッセージをお願いします!
濱さん:
病院での栄養士業務は段階を経て移行する職場が多いと思います。初めのうちはとにかく覚えることが数多く、思うように仕事ができないと挫折しそうになることもあるかもしれません。でも「やりがい」を感じたり、仲間と励ましあったり、先輩からアドバイスをもらったりすると軽減されますよ。そして病院だけでなく、全ての社会生活で良好な人間関係を築くことが大切ですね。人とのよいつながりは仕事の幅を広げていくと思いますし、何より仕事が楽しくなると思います。
■編集後記
インタビュー時、たくさんの感想文を、嬉しそうに見せてくださった濱さん。ガイドも読ませていただき感動しました。栄養士・管理栄養士はこの喜びを忘れてはならないと思います。感動を分けてくださってありがとうございました。職場の雰囲気がとてもなごやかでよい、というお話がありましたが、それは上司が「仕事は楽しくやろう!」とずっと作ってきてくれたから、と聞かせてくださったことも印象的でした。
■関連情報
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
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