コンサルティング業界の人々の話を聞いたり、本を読んだりしていると、普段耳慣れない言葉をよく耳にするものです。それらの意味や使い方を解説していくシリーズです。フレームワーク、MECE、as is to be、バリューチェーン、ポートフォリオなど、みなさんどのくらい知っていますか?解説できますか?今回は、基本の基本、フレームワークについて、解説していきたいと思います。
考え方を考えるのがフレームワーク
私がコンサルタント1年生として新卒で働いて間もない頃、上司からこっぴどく怒られたことがよくありました。だいたいお前は考えているようで考えていない、というのがその理由です。その時上司がいっていた言葉で、いまでも繰り返し記憶のなかにあるのが、「考える前に、まず考え方を考えろ」というものです。考え方を考える?
なんだか奇妙な話ですよね。しかし、この考え方を考えるという行為が、すなわち「フレームワーク」そのものであり、コンサルタントのアプローチの基礎になっていることに、だんだんと気づいていったのでした。
本を作るときのパターン
さて、ちょっとしたお題をだしてみましょう。「自分の写真集を出版したいという人がいたとしましょう。この人に見積りをつくってあげたいのですが、どのように提示したらわかりやすいでしょうか?」フレームワークがない見積りは、こんな感じになります。
はっきりいって、何がなんだかわかりません。
「ハードカバーで、フォトクオリティっていうのもあるんですか?」
「はいあります」
「このミニサイズというのは、ソフトカバーなんですか?ハードカバーなんですか?」
「ええと、両方出来ます。お見積り出しているのはソフトカバーの場合のお見積りです」
「???」
され、こういう訳の分からない見積りになってしまうのは、いきなりいろいろなものを考えてしまうからです。まず、そもそもに立ち返って、「写真集を作る」という事柄にどういう要素があって、何によって値段が違うのか、という考え方=枠組み=フレームワークを作ると言うことが大事です。