資格で得られる知識と、求められる知識にギャップがある

一方中小企業向けのコンサルティングというのは、ある意味では逆です。中小企業の場合は、仕組み自体が存在しないか、非常に脆弱なものであったりします。それを、そこそこのレベルまで引き上げるということを主眼としています。また、中小企業コンサルでは、会計だったら会計だけ、ということではなく会社全体を見るのも特徴です。社長にコミットして、会社全体の底上げを、戦略から会計から営業指導まで含めていろいろやるのが中小企業むけコンサルのスタイルです。

ですから、中小企業の診断のための、中小企業診断士でも、勉強するのは広く浅くというような知識を得るということになっています。しかしそれでは大企業向けのコンサルティングで求められる、より専門的で、最先端の手法とはギャップがでてくるのです。

大企業むけコンサルでは、他の大企業での先進的な改革の取り組みにかかわったというような経験や、システム構築などを通して新しい業務の導入に携わった経験などが評価されます。

人事も、会計も、生産も、カスタマーサービスも浅く知ってますというよりは、5年間ずっと会計をやっていました、特に原価計算のところはプロフェッショナルです、といった方のほうが好まれます。一定の分野において、より深く、エッジの利いた経験が必要とされるのです。

さらに、大企業向けでは、会計のやり方を変える、在庫管理のやり方を変える、何を変えるにしても何万人というひとが影響を受けます。在庫管理を紙ベースでやっている大企業は存在しません。何かを変えようと思ったときは、大規模なコンピュータシステムの改修(もしくは入れ替え)が必要になります。システムを使わなくては、大企業では業務がまわりません。ですから、大企業向けのコンサルティングではシステムの知識は必須です。

このように中小企業診断士で得られる知識と、外資系コンサルタントの実務で求められる知識には、かなりのギャップがあります。