シリーズ(1):5つのタイプで業界がわかる
今回は、「コンサルティング業界」といえばまずイメージされる戦略系コンサルティング会社について触れてみましょう。
トップの意思決定に深く関わる~戦略系コンサルティング会社
外資系がほぼ全てで、企業戦略の立案や実行に係わる仕事をメインに行います。どの会社もグローバルに展開し、世界に何十ものオフィスを持っています。多くのひとが、「コンサルタント」をイメージしたときに思い浮かぶのはこの戦略コンサルではないでしょうか? 大前研一、堀紘一といったスターコンサルタントを輩出したのも戦略コンサルティング会社です。仕事のスタイルとしては、3~5名程度の少数精鋭のコンサルタントがプロジェクトを組み、経営課題に取り組みます。
テーマとしては、例えば
「医薬品メーカーの研究開発体制の再構築」
「学校法人の生徒獲得のためのマーケティング戦略」
「情報家電の新規参入戦略」
「小売業の顧客関係強化戦略策定」
といった具合で、テーマのスケールが大きいです。
戦略系の主なプレイヤーは次の通り。
- マッキンゼー&カンパニー
- ボストンコンサルティンググループ
- ベイン&カンパニー
- ブーズアレン&ハミルトン
- ATカーニー
- ローランドベルガー&パートナーズ
- コーポレートディレクション
- アーサーDリトル
また、アクセンチュアも、世界最大規模の戦略コンサルティング部門を持っています。私の分類では(会社全体の業務内容の視点から)"総合系"に分類してありますが、アクセンチュアの戦略部門は、"戦略系"と分類してもOKだと思います。
いずれの会社も、「戦略を中心にその周辺領域を行う」という業務内容のコアはあまり変わらないと思います。違いを挙げるとすると、
- クライアントの国外:国内比率
- 業界ごとの得意・不得意
- 戦略分野以外への進出具合(ITなど)
によって色づけができると思います。会社を研究する場合はその点に注意して見て下さい。
※近年は急速に業務領域を拡大する戦略コンサルティング会社もあります。たとえば、ITの子会社を買収したり、ITの人材を採用したり。また、大手のIT会社が戦略コンサルティング会社を買収した事例もあります。会社を研究するとき業務領域については、特に注意して見て下さい。
採用は狭き門
気になる採用ですが、どこの会社も採用枠は極めて少ないというのが現実です。なにしろ日本法人の社員総数が50名に満たない会社も少なく有りませんから、当然ながら採用も若干名ということになります。一般的にはMBAを取ってからの中途入社や、同業他者からの転職、または新卒からいきなり入るといったパターンがあると思います。転職は、幅広い業界から人材が入ってきており、とくにこの業界から有利というのはあまりないように思います。IT系からの転職もたくさんあります。業界・職種よりも、本人の適正やスキルといったところに重きが置かれているからでしょう。
詳細な採用ルート、どういったスキルが必要か、といった採用面のお話は、別途書きたいと思います。
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