コンサルティング業界の現状は、激動の時代

コンサルティング業界, 業界分析

コンサルティング業界の研究

「コンサルティング業界はどうなっているの?」という質問をよくうけます。私は、一言で言って「激動の時代です」と答えています。
多くのコンサルティング会社が名称を変更したり、親会社(会計事務所)と分離を図ったり、なかには株式を上場したところや買収劇もありました。大手の情報システム会社による、コンサルティング会社の買収です。

新規参入やIT業界との競合も激しくなっています。一方で市場から退場宣告を受けた会社もあります。会社再生手続き中の会社、日本の事務所を大幅に縮小した会社もあります

すべてここ2~3年で起きたことです。それを称して「激動」と呼んでいます。業界の全体像を捉えることが、以前に比べて難しくなってきていると思います。

本記事では、複雑になっている業界の現状を、すこしでもわかりやすく伝えるために、私なりの視点から、業界を研究して見たいと思います。
   

コンサルティング業界を5つの種類のタイプで理解する

一言で「コンサルティング業界」といっても、いろいろなタイプの会社が存在しています。私は、業務内容やその出自から、大きく次の「5プラスα」のカテゴリに分類されると考えています。

それぞれのカテゴリごとに、コンサルティングのスタイルや方法論も違いますし、会社の規模や人数も違い、当然、必要とされる人材の資質やスキルといったものも違ってきます。

まずはそれぞれのカテゴリごとの特徴や違いというものを理解することが、業界を理解する第一歩です。そうすれば、自分に向いている会社や、足りないスキルといったこともわかってきます。

■コンサルティング会社の5分類
 
  1. 戦略系
  2. 総合系(旧会計事務所)
  3. IT/SIer系 ベンダー系
  4. 日本系 + 総合研究所
  5. 特化系(人事など)
 

2. 総合系(旧会計事務所)コンサルタント会社とは?

主にトップマネジメントレベルの問題解決を生業としているのが戦略系コンサルティング会社です。「情報家電の新規参入戦略」といった抽象度の高く、テーマが大きいものを得意とします。

通常少人数によるコンサルティングスタイルを取ります。採用の枠は少なく、高度な論理構築力と人間関係力が問われるため、狭き門となっています。

代表的な会社は、マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループです。 
 

2. 総合系(旧会計事務所)コンサルタント・コンサルティング会社とは?

業界解説本では「会計事務所系」と呼ばれることが多い会社群です。これらの会社は、ITから業務プロセス、戦略・人といった幅広い領域別に専門のコンサルタントを多数抱えており、総合的にクライアント企業の変革をサポートできるところがウリです。

特徴は、大規模プロジェクトが多いこと。「世界100拠点にわたるグローバルな生産体制とサプライチェーンの再構築」など、想像を絶するような大プロジェクトもあります。

採用枠も広く、多くのポジションがありますので、皆さんにとって魅力的に映ると思います。

代表的な会社として、アクセンチュア、ベリングポイント、プライスウォーターハウス(現IBMビジネスコンサルティング)、キャップジェミニ・アーンスト&ヤング、デロイトトーマツ(日本ではアビームコンサルティング)が、いわゆる「ビッグ5」と呼ばれています。
 

3. IT/SIer系 ベンダー系コンサルタント会社とは?

このグループは、さらに大きく2つに分かれます。
 
  • IT/SIer系
元々システムインテグレーターでシステム構築を生業としていたものが、システムそのもののコンサルティングに加え、その前段階となるビジネスコンサルティング領域まで商売の幅を広げ、企業改革を実現する能力を獲得したグループのことです。

代表的なところで、IBM、HPやEDSなどのビッグネームがあります。近年これらインテグレーターは、単にシステムを導入するだけでなく、より上流のビジネスプロセス改革や戦略策定に参入してきており、多くの実績を蓄積しています。

特に、IBMは会計系ファームのプライスウォーターハウスを買収し、システムからコンサルティングまですべてのビジネス領域を手がける総合ファームとして注目を浴びています。(カテゴリをまたいで合併しため、本記事の分類では会計系とIT系の両方に入れています)
 
  • ベンダー系
「ERPパッケージ」「CRMパッケージ」などのソフトウエア開発が生業のところを指します。クライアントが自社製品を導入するにあたり、システムのコンサルティングや業務の改革などを手がけることが基本です。

いずれも、採用枠、ポジションともに幅広くあります。
 

4. 日本系コンサルタント会社とは?

日本系と総称していますが、「日本出自の会社」という意味ではなく、「日本式のコンサルティング」を行うところと理解ください。

特徴的なのは、一人のコンサルタントがコーチ形式で複数の会社を担当する、というスタイルです。外資系コンサルティング会社が、チームを組み、プロジェクトでコンサルティングを行うやり方と大きく違います。

コンサルティングのほか、企業研修が収益の大きな柱になっていることがこのカテゴリの特徴です。

そして、リサーチを得意とする一連の「総研」の会社があり、これらは全く別のグループとしてシステムから戦略、人事、リサーチまで幅広く手がけています。

総研にも「システム構築が主体」「リサーチが主体」などのカラーがあります。どこも大手の銀行や証券グループに属しているので、それぞれのグループのカラーが出るのです。 
 

5. 特化系(人事など)コンサルタント会社とは?

「ブティックコンサルタント」という呼び名もありますが、「ある領域に特化したコンサルティング」を提供します。

「人事・年金」といったビジネス機能に特化するもの、「小売、医療業」といった業界に特化するものの2つがあります。

人事分野ではマーサー、ヘイといった会社が代表的です。一部の人事系を除いていずれも規模が小さく、採用はコンサルタント経験者を中心とした中途採用が一般的です。
 

5パターン以外にもさまざまな種類のコンサルタント会社がある

ここで紹介した5パターン以外にもさまざまなコンサルティングの形態があります。扱う対象がビジネスから少し離れた「建築コンサルタント」「環境コンサルタント」から「話し方コンサルタント」まで、さまざまです。まとめて、「プラスα」としましたが、これらも小規模・中途の経験者採用が多く、新卒の方には馴染みが薄いでしょう。

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