「借り換え」ができなくなることも想定される
たとえば当初、35年返済で組んでいたローンを、期間短縮型の繰り上げ返済によって25年まで短縮したとします。すると、その時点で借り換えようとした場合、借り換え後の住宅ローンは最長でも25年までしか組めなくなってしまうのです。もちろん、借り換え後の借入金額は借り換え前より少なくて済むとは思いますが、返済期間が短くなった結果、返済率(収入に対するローン返済額の割合)が融資条件をオーバーし、借り換えができない事態が想定されるのです。借り換え前の資金計画が“返済率ぎりぎり”のような場合に当てはまりやすいケースです。
また、借り換えられたとしても、「借入期間が短くなる」=「毎月の返済額が増える」ことを意味します。返済計画に無理が生じる可能性も否定できません。繰り上げ返済は返済負担を軽減させる有効な手段ですが、半面、こうしたマイナス作用も持ち合わせます。注意しましょう。
なお、いずれの場合も「期間短縮型」の繰り上げ返済にのみ当てはまり、「返済額軽減型」(毎月の返済額を少なくする方法)には該当しません。繰り上げ返済には一長一短がありますので、上手に使い分けることで効果的なローンメンテナンスを実践してください。
<繰り上げ返済の注意点(まとめ)>
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