2017年度には消費税率が12% その時、あなたならどうする?
国民1人あたりのGDP(国内総生産)が3万ドルを超え、米国に次ぐ世界第2位の経済大国 日本。ところが、国と地方を合わせた債務残高(借金)は優に800兆円を超え、GDP比160%超に膨らんでいます。欧米の主要国が同60~80%程度ですので、いかに日本の財政が危機的状況か。——— わが国の将来を考えた際、財政赤字が経済成長に暗い影を落とす悪材料になろうとしています。

そこで、「財政再建 待ったなし!」となるわけですが、2009年度補正予算(5月29日に成立)では赤字国債と建設国債を合わせ10兆8000億円もの追加国債が発行されます。その結果、新規国債発行額は約44兆円に達し、単年度としては初めて一般会計予算が100兆円を突破することになります。

こうした「借金体質」を改めることは容易でなく、2011年度までにプラス化を目指した財政再建目標(基礎的財政収支の黒字化)は、あっけなく「不可能」との結論に達してしまいました。関心の高い「住宅ローン減税」1つ取っても、最大控除額が500万円(一般住宅)へと引き上げられたお陰で、およそ1兆9000億円もの投資額アップ(財政出動)です。投資効果が十分に発揮されればいいのですが、期待に反した場合には、こうした先行投資がめぐりめぐって財政の圧迫要因となっていきます。「ばらまき」と言われないためには、財源とセットでの政策立案が不可欠といえるでしょう。

そこで今回は、現在、最終調整に入った「経済財政改革の基本方針2009」(骨太の方針)の素案内容を整理し、併せて、住宅価格への影響をシミュレーションすることにします。「消費税」という視点から、マイホームの買い時を検証することにします。

「景気対策」と「財政再建」はトレードオフの関係


消費税をめぐる発言を振り返ると、今でも忘れられないのが日本経団連が2003年に公表した「奥田ビジョン」(通称)です。その内容は、2004年度から毎年1%ずつ消費税率を引き上げ、2014年度以降16%に固定するというものでした。2025年までの日本社会の将来構想として、行き詰まる社会保障制度改革を突破口に、日本経済の基本設計を見直そうというものです。

小泉政権まっただ中、結果的には文字通り“構想”で終わったわけですが、消費税増税論議の火付け役として、かなりの波紋を呼んだことを今でも覚えています。

また、2007年11月には自民党の財政改革研究会が、消費税率を2010年代半ばに10%程度に引き上げることを掲げた「中間とりまとめ」を提言、公表しました。提言では、消費税を「国民にすべて還元する原則のもと、社会保障給付のための財源と位置づける」として、少なくとも消費税を10%程度までに引き上げる必要性を示したのでした。

さらに、記憶に新しいところでは昨年(08年)10月30日、麻生首相が「新・総合経済対策」として「経済状況をみたうえで、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております」と発言したのが思い出されます。3年後とは2011年のこと。100年に1度の金融災害を受け、崖から転げ落ちるような急激な景気悪化を食い止めるべく、増税論議が持ち上がりました。

「トレードオフ」という言葉があるように、「景気対策」と「財政再建」は両立が困難とされています。「あちらを立てれば、こちらが立たず」とばかり、両者のバランスをどう取っていくかが、財政赤字なき経済成長への実現可能性を左右することになります。それだけに、より増税論議のタイミングが重要となってくるわけですが、多額の財政出動の穴埋めとして、政府はその財源確保をもくろみ「骨太の方針2009」に増税への道筋を盛り込もうとしています。


 【用語解説】

 骨太の方針とは、経済財政改革に関する基本方針のこと。日本の将来の姿について、わが国が抱える課題を整理し、解決のための方向性を予算編成を加味して示した運営方針のこと。翌年度の予算概算要求基準の方針ともなる。

 基礎的財政収支とは、借金せずに行政サービスにかかる政策経費をどれだけ税収などで賄えるかをみる指標。基礎的財政収支が均衡していれば、行政サービスを借金に頼らず実施できていることになり、逆に、赤字なら後世代に借金をつけ回していることを意味する。