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佐藤綾子さんに聞く!シリーズ vol.4 怒りのコントロールを訓練しよう

パフォーマンス学の第一人者である佐藤綾子先生にいい人間関係づくりのポイントを伺うシリーズの第4弾。「怒り」という感情はトレーニングによってコントロールできるのだそうです。

執筆者:泉 まつお


プロフィール
佐藤綾子(さとうあやこ):日本大学芸術学部研究所教授 博士(パフォーマンス学・心理学)
1980年、日本に初めて「日常生活における自己表現」の意味での社会学的言葉として「パフォーマンス」の語を導入。1989年、産学協同体制による日本人の自己表現研究のための「国際パフォーマンス協会」を設立する。著書は、『元気心理学!仕事も恋もうまくいくステキな習慣』(PHP研究所)、『キレない心を育てる-親と子の自己表現37のコツ』(講談社)、『上手な怒り方-がまんしてたらソンばかり』(PHP研究所)など129冊。



第1回は「円滑な人間関係は視覚で作る」
第2回は「キレる上司・部下にどう対処する?」
第3回は「キレる自分にどう対処する?」
というテーマでお話を伺っています。こちらもご覧下さい。



人間の怒りに対する反応は、
迎合、引きこもり、攻撃、バランス型の4つ


ガイド・泉:佐藤先生、今回もよろしくお願いします。今日のテーマは、「怒りのコントロールをトレーニングする」ということですが…。

佐藤さん:前回、思わずキレてしまう自分にどう対処するかというお話をしましたが、思わずキレる前に、それをストレスなく、丸く収められたらいいと思いませんか? 今日は、そのためのトレーニング方法についてお話したいと思います。

泉:「キレる」という感情をコントロールする。そんなことできるのですか?

佐藤さん:トレーニングのチャンスは、嫌なことがあってもそれをその場で爆発させず、飲み込んで帰ってきたときです。

泉:そんな日は、イライラして友人との食事やお酒、おしゃべりで発散してしまいそうですが…。

佐藤さん:それもいいかもしれませんが、家に帰ったらこんなことをしてみてください。まず、思わずキレそうになった今日のできごとを思い出し、その場をもう一度イメージします。そして、10数える。

泉:前回、教えていただいた10(テン)カウント法ですね。

佐藤さん:そうです。そして、あらためてその場面ではどう対応するのが一番いいかを考えてみてください。人間の怒りに対する反応は、迎合、引きこもり、攻撃、バランス型の4つがありますから、そのいずれが一番いいかを考えるのです。

泉: 迎合、引きこもり、攻撃、バランス型…。

佐藤さん:迎合とは相手に合わせること。妥協と言い換えてもいいですね。引きこもりは相手を避けて自分の内に入ること。波風は立ちませんが、自分の人間関係が広がりにくくなります。最後の攻撃は、自分の目的を達成することはできますが、人間関係が壊れることも少なくありません。そしてバランス型は、怒りの原因を冷静に分析してうまく自己主張する人です。

泉:このなかでベストと思える方法を選べばいいのですね。

佐藤さん:自分で選択ができたら、それを覚えておきましょう。すると、次に今日のようなことがあったときにはきっと自分の怒りを上手くコントロールできるはずです。


次のページでは、この方法がなぜ有効なのかを教えていただきます。
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