「仕事をしよう！」と決意
でも、社会が受け入れてくれない
 |
| 「当時は、仕事をしたくても、結婚してまして子どもがいるなら、”女性は家庭にいろ”という時代。再就職には、苦労しました」 |
新聞の求人欄を見て、「ここはどうかな」って思うところに履歴書を送ると、みんな返されてしまう。最終的に採用をもらえるまでに、40社ぐらいに応募しました。それまでは「（履歴書を）出しては返される、出しては返る」の繰り返し。本当は履歴書は使い回してはいけないんだけど、そんなこと言ってられなくなってきて、戻ってきたらそのまま次の応募先に送っていました（笑）。
不採用の理由を教えて！
不採用の理由は、はっきり知らされません。自分では「社会人としての経験年数が少ない」、「家庭がある」ってことだと思っています。たまに面接まで行くことがあっても、やっぱり家庭のことを言われました。「残業がありますが、お子さんどうしますか？」って言われると、出来ないのに「出来る」なんてウソは言えないし。「なるべくやるつもりです。７時とか８時ぐらいまでなら両親に見てもらえる可能性もあるけれど、連日になるとちょっと難しい」と伝えると、採用はダメだっていうことになるんです。
「なんで主婦が仕事に戻りたいんですか」と聞かれたこともありましたよ。まだ当時は、結婚したら退職が当たり前の時代でしたが、私が応募したのは、外資系の商社とか貿易商社だったので、どちらかと言うと、残業しないで済むような会社ではなかったかもしれないですね。
でも、その内にどんな小さな会社でもいいって思い始め、日本の会社にも応募しました。でもそれまで応募していた外資系の会社は、面接にまで進めるのですが、日本の会社は書類選考で落とされてしまって、面接にも行けないんです。
何度も何度も不採用の通知を受け取れば、自分が否定されたような気持ちになって、精神的にきつかったです。でも、これは親に感謝すべき私の性格なのですが「やっていればなんとかなる」って思えたんです。「あきらめない。あきらめがつかないから、あきらめない」っていう（笑）。
面接まで行けば、落とされても、ある程度納得できますよね。面接の時に、「子どもがいるから、残業がだめ」って言ったからだろうなっていう風に、自分で理由付けができますから。でも何も理由がわからないまま「この度は、誠に残念ながら不採用になりましたので、応募書類一切をお返しさせていただきます」っていう通知が送られてくると「理由書いてよ！」って思います。理由がわからないっていうことが、こたえましたね。
ようやく採用内定！ ところが……
 |
| 履歴書を送り続けては、不採用通知と一緒い返却される毎日。「自分が否定されているようで、落ち込みました」 |
出産後は、子育てに専念しましたが、その子が１歳３ヵ月頃に再度、仕事探しを決意。本格的に仕事をするつもりだったので、子供を預かってもらうため、当時住んでいた中野区から千葉県松戸市住む両親の家の近くに引っ越しまでしました。
その後、ようやく念願叶って重工業関連の合弁会社に就職を果たした若林さん。でも、仕事内容に納得がいかず、約８ヶ月で退職。その後、就職したアメリカ系製薬会社では、体調を崩して入院が必要になり、結局２ヶ月で退職することに。
さて、若林さんが長いブランクを経て再就職を成功させるまでの道のり、いかがでしたか？ この後、若林さんは、以降22年間、働き続ける会社に就職を果たします。そこで待ち受けていたものは……次回に続きます！
