女性の転職/女性の仕事カタログ

雑誌をプロデュースする! 雑誌編集者

雑誌の誌面作りのすべてに携わる雑誌のプロデューサー的存在「編集者」。人気の高い仕事だが、出版業界は今も昔も狭き門。そんな中、意外な仕事から編集者へ転職を果たした女性をご紹介!

執筆者:三輪 貴子

【雑誌編集者】竹内 理絵さん (株)角川書店ウォーカー事業部「月刊シュシュ関西」編集部 編集担当。学校卒業後広告代理店へ。その後調理の専門学校へ入学し、調理師免許取得。食品会社勤務後、現会社へ入社。 OLに人気の高い「月刊シュシュ関西」の編集に携わり、スイーツ・パン・デパ地下などの誌面を担当。
話 題 度  ★★★☆☆
難 易 度  ★★★☆☆
かかる費用 ☆☆☆☆☆

雑誌の特集企画案を練るところから、誌面わり、ライター、カメラマンの手配など、まさしく雑誌のプロデューサー的存在である「編集者」。人気の高い仕事だが、出版業界は今も昔も狭き門。そんな中、意外な仕事から編集者へ転職を果たし、長年の夢をかなえた女性をご紹介します。

何事も3年は経験したほうが…… ~出版社へ入社するまで~

学生のころから、出版・マスコミ業界に憧れていました。ですがこの業界、特に新卒には狭き門。そこで大学卒業後、社会人としての第一歩として入社したのは広告代理店でした。パンフレットの制作や印刷などの仕事にも携われるのではないか、という思いがあったからです。

主な仕事は営業。先輩や上司からは、「自分の興味ある分野に、飛び込みで営業へ行ってもいいよ」と言われ、好きなことをさせてもらっていましたので、もともと興味のあった「食べること・グルメ」に結びつくような飲食店へ、よく営業にいきました。入社後、1年・2年と時間が経つにつれ、「将来のこと」を真剣に考えるようになり、自分の好きなこと、やりたいことは営業ではなく他にあるかも、と思いはじめました。よく「何事も、最低でも3年は経験したほうがいい」と言いますよね。ですから3年間はがんばろう思い、楽しみながら仕事を続けました。そして3年後、営業とは違う方向へすすむため、思い切って調理師の専門学校へ行くことにしたのです。

通った専門学校は、お昼のコースで1年間。学費は約240万円。白衣や包丁代などを入れると、費用はプラス10万円ほど。学んだのは、調理に関するすべてのジャンル(日本料理・西洋料理・中国料理・栄養学・マナー・お菓子についてなど)。1年通えば、調理師免許を取得できるカリキュラムでした。そのときは「家でお料理教室を開けるかもしれないし、フードコーディネーターという道もあるかも」と思いながらも、特に明確な将来像は持っていませんでした。専門学校卒業後は、ホテルや旅館へお惣菜や珍味、かわり豆腐を卸している会社へ契約社員として入社。仕事は、まさしく食品の研究で、試験管やビーカーとにらめっこしながら電卓片手に研究の日々。想像していた仕事とはかけ離れていたので驚きましたが、せっかく入社したんだから、契約期間は続けようと思い、1年間勤めました。

履歴書と課題の作文 ~出版社の書類選考~

食品会社に勤めて1年が過ぎ、契約を更新するかどうかという時期、べつの食品会社へ転職する道もあると思いながら、就職情報誌「ビーイング」を購入。なにげなくページをめくっていると「月刊シュシュ関西の編集にまつわる業務 募集」の記事を見つけたのです。一瞬喜んだものの、せっかく調理師の学校へ行ったのに、後戻りをするようで悩みました。広告代理店時代の先輩たちに相談をしたところ、「やりたいと思うなら、その方向へ突き進み、チャレンジしてみたら?」の言葉に迷いは吹っ切れ、履歴書と課題の作文を急いで仕上げ、速達で発送。作文のテーマは雑誌について。400字詰め数枚程度だったと思います。広告代理店で営業をしていたときのことを織り交ぜながら書き上げました。その後、書類選考を通過し、面接へ。私の職歴を見る限り、面接をする側も、なぜ今「編集」の仕事に就きたいのか、ここを一番聞きたいはず、と思い、面接官に説明をしやすいように当日は広告代理店時代に担当したパンフレットや、食品会社の会社案内など、目に見えるものを持参しました。

当日面接の部屋に入れば、面接官は5人。とても緊張しました。職歴と自己PRを話し、いくつか質問を受けました。面接時間は20分程度。面接は土曜日だったのですが、月曜日には、採用の電話連絡が! 驚きと同時に、出版業界で働くという夢が叶うことに、うれしさがこみ上げてきました。

走りながら仕事を覚える日々 ~出版社入社後~

最初の仕事は、コピー用紙の補充や、編集をしているスタッフの補助でした。それまで、自分なりにいろいろと経験をしてきたつもりでしたが、本当にイチからのスタート。とにかく、少しでもはやく編集の仕事をしたいと思い、前向きに仕事へ取り組みました。1年ぐらいは編集補助の仕事が続くと覚悟をしていたのですが、スタッフに急な欠員が出たため予想よりも早くチャンスが訪れ、入社3ヶ月目ごろから、毎号連載のニューオープンページの担当をさせてもらうことに。

半年後には、当時の編集長が「第二特集(約12ページの特集)をやってみる?」と声をかけてくれ、“郊外カフェ”の特集を担当することになりました。もともと私が食べること、特に甘いものが大好きなことを知っていた編集長が、この企画なら担当しやすいだろうと思い、任せてくれたのです。編集の仕事は(会社によって異なると思いますが)、手取り足取り教えてもらうのではなく、先輩のやっていることを見て覚える。そういう点では、ある意味、料理業界と似ていますね。やりながら、走りながら仕事を覚える日々が続き、ようやく特集を担当した雑誌が出版されたときは、その雑誌を家に持ち帰り「自分がやった仕事」と両親に見せ、夢が叶った喜びを友人へ電話で知らせました。今は、得意の“スイーツ”“パン”“デパ地下”の企画や編集、月刊シュシュ関西で連載している「浅井兄弟のWind&Wild」すべて連載を担当しています。(2005年12月現在)
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