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カメレオンな人が向いてる?!ライターとは(2ページ目)

ライターと一言でいえども、フリーから、どこかの企業に所属をするライターまで、働くスタイルはさまざま。今回は、金融関係の仕事に就いたあと、フリーライターの道を歩んでこられた女性にお話を伺いました。

執筆者:三輪 貴子

相手との人間関係を築けば、必ず声がかかります ~営業の重要性~

フリーのライターになったころから、コネがないので営業をするしかないと思っていました。証券会社では営業をしていましたから、営業は、やって当たり前だと思い、自分が書いてみたい雑誌社へ直接出向いたり、記事や企画を積極的に編集長宛に送付。「日経ウーマン」も、自ら営業をしてつかんだ仕事です。編集長宛に封筒で企画書を送り、「着いたかな、読んだかな」というころを見計らって編集長へ電話。企画をお送りしたのですが、とお伝えし、まだ読んでないと言われれば読んでくださいとアピールし、企画書を無くしたかも、と言われれば、もう一度送りますから、と答える。そんなやり取りの中で、東京へご挨拶にいきます、と申し出て「会うだけだからね。」と念を押されたのですが、実際にお会いすると、運よく編集長と出身大学が近いことがわかって話が盛り上がり、結局その日に、ちょうどライターを探していたという企画の仕事を請け負うことになりました。書くページが空いているかどうかに関係なく、「やります」という人がいればページはもらえるものだな、と思いました。営業をして、相手との人間関係を築けば、必ず声がかかります。私がライターをはじめたころは営業をしているライターさんは少なかったのですが、今のライターさんはその辺の意識は高く、積極的に営業をされている方もいらっしゃるようです。

カメレオンのように ~ライターに向いている人~

ライターの仕事は、ライターをされている方でも、作家と勘違いをされていることもあるようです。作家は、自分の思ったことを思ったとおり、林真理子さんなら林真理子さん風に書いてもいいけれども、ライターは自分らしく、(私であれば)服部貴美子風に書くことは求められていません。服部貴美子テイストではあるけれど、「アントレ」の記事であれば、「アントレ」風に書かなければなりません。取材現場にいけば、取材相手の方に合わせる、頑固そうな人にはどう言えばいいのか、その場にあわせて自分が変化することも求められます。そういう意味でも、職業ライターは、カメレオンのほうがいいかな、と思いますね。あとは、知りたい、伝えたいという気持ちをもった好奇心の旺盛な方、これ!という得意分野がある人が強いと思います。

また、おしゃべりな人がライターに向いていると言われることもあるけれど、それは違うのではないかなと思っています。私はもともと、相手が話していることに対して「それは○○ということですね」と先回りをして話をしてしまい、相手は「まあ、そうかもしれません。」と答えてしまう、しゃべりすぎのタイプでとした。すると、本当は意見や思いが少し違うところも、相手はそれを話さずにインタビューが終わってしまうのです。ライターは話す力よりも、聞く力のほうが大切。書く力はやっているうちについてくるものだと思います。私は聞く力を磨くために、コーチングの勉強を始め、現在は“コーチ21”の全カリキュラムを終了。聞くときや、相手のタイプに自分を合わせるとき、その知識は役に立っています。その場にあわせてカメレオンになるためにも、活かせるスキルだと思います。

好きなだけでは、仕事は続かない ~趣味と仕事の違い~

報酬は、原稿用紙1枚(400字)、または、A4サイズ1枚でいくら、というところ多いですね。相場は、本人が持っている力に応じて変動しますし、情報誌か専門誌かによっても違います。私はビジネス誌・専門誌を書いているので、1ページ25,000円~50,000円ぐらい。報酬については、自分の中で、1ページにつき20,000円未満の仕事は請けないと決めています。(例外もあります)例えば、こういうご時勢なので、私だけではなく、その雑誌に携わる全ライターの報酬を一斉値下げします、という場合もあります。そんな時は、「その金額では請けられない」と、辞めるべきところは辞めてきました。他のライターさんからは「断ったら、もう二度と仕事こないよ・・・」といわれたけれど、本当に使いたいなら、別の価格にしてくれるかもしれないし、交渉がうまくいかなければ、他の仕事を探すしかないかな、と。仕事を自分の意思で選択をしてきたことは正しかったと感じています。他の雑誌に営業へ行ったとき、「○○の雑誌と、○○の仕事をしています」といえば、同じ業界の方ですから、このライターさんはいくらぐらいの仕事をしているなとわかるはずです。未来の仕事のために、そして自分のブランド力のためにも、そこはゆずれないポイントですね。

私は、好きなだけでは、仕事は続かないと思っています。好きなことプラス、好きなことをお金に変えていく能力がなければ、生活はできません。本当に好きであれば、お金がもらえるまで、突き詰められるはずではないでしょうか。「好きだから書ければいいんです」という人は、私から見ると、「本当に好きじゃないんじゃないのかな? 大事にしてないんじゃないかな?」と思います。誰がなんと言っても、これは仕事なのですから。
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