自分のことは、自分が一番知っているとは限らない。周囲の人があなたの「良さ」を見ていてくれることもありますよ。 |
いつもお世話になっている小児科で見つけた求人の貼紙
そろそろ働きに出たいと思っていた頃、いつも子供を診ていただいている小児科で、「医療事務募集」の貼紙を見つけました。今からちょうど3年前のことです。家から近くて、いつも診ていただいていることで信頼感もある、ここに勤めることができたらいいなと思っていたのです。私は、できるなら午前中に仕事を済ませ、午後は子供が学校から帰ってくるのを家で迎えてあげたいという気持ちが強く、午前だけを希望したところ、先方は、午前・午後の両方働ける人を求めていたようで、残念ながら不採用となってしまいました。
その後も、子供の具合が悪くなるとその小児科には通いましたが、次第に医療事務への気持ちは薄れ、短期の派遣でほかのお仕事をしていました。月日は流れ、3年後の春。
再就職の話は、仕事の方からやってきた?!
子供が風邪をひき、いつもの医院で診察をしていただいた後、支払いを済ませようと受付に向かったときに「Mさん、今、お仕事なさってる?」と聞かれました。ちょうど、短期派遣の仕事も終了したところだったので働いていない旨を伝えると、もし、まだ仕事をする気持ちがあれば、近いうちにあらためて病院を訪れてくれないかということでした。前に履歴書を出したのは、もう3年も前。ちょっとワクワク、でもちょっと不安な気持ちを抱いて、さっそく翌日、出かけてみると、「ちょうど医療事務のポストが空いたので、ぜひ来て欲しい」と願ってもないお話をいただきました。
資格取得のための勉強は、決して悪いことではないけれど、やりたい職種で「未経験者可」の求人を見つけたら、思い切って飛び込んでみては? |
いざ仕事を始めてみると、これがなかなか大変。全く知識のないところから始め、一通り仕事の手順を教えてもらった後は、「見て覚えて」と言われました。医療機関ですからミスがあってはならないと思うと緊張もしますし。勉強しておけばよかったなと思うこともありますが、こればかりは今言っても始まりません。念願かなってのお仕事ですから、一生懸命覚えるだけです。少しでも周囲の方々に迷惑をかける回数を少なくするためにがんばっていきたいと思います。
資格がなくても、見事に再就職を成功させたMさんの例を紹介しました。どうして、医療事務の仕事がしたかったのに、資格を取るとか、勉強をしなかったのかと疑問に思われる方もいると思いますが、彼女の優先順位は、医療事務の仕事というよりも、「近所で働く」ことにあったのです。
そして、医院の方は、彼女の「明るさ」と「人に優しく接することができる」ところを見込んだわけで、それぞれの思惑は違いながらも、条件はぴったり。Mさんも「医療事務の仕事は、奥が深くてなかなか難しいけれど、近所で働くことで、子供たちに大きな安心感を与えることにはかえられません。それに患者さんから“ありがとうございました”と言っていただくと本当に嬉しいんです」と少しずつ医療事務の仕事をする喜びを感じ始めているMさんです。
記事を通して医療事務のお仕事について少しでも理解を深めていただけたら幸いです。