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私が出会ったステキな女性 vol.8 教員志望から美容師へ 藤代さん(2ページ目)

今年4月に美容学校を卒業し、美容室へ就職した稲本藤代さん(25歳)は、4年制大学教育学部を卒業した後、美容学校へ入り直したという異色の経歴の持ち主。その選択について伺いました。

執筆者:泉 まつお

2. 事務、家庭教師、貸衣装店でのアルバイトを掛け持ちした1年

――大学卒業後は、一旦、ご実家に戻ったそうですね
「最初は、お金が足りなかったら新聞配達をしながら美容学校に通おうと思ったんですが、本当にやれるかという不安が大きかったので、あと1年、しっかりお金を貯めようと考えました」

――実家に戻ってどんな仕事を?
「メーカーの事務です。ほかにも、夜は家庭教師をして、週末はブライダルを手がけている貸衣装店でアルバイトをしました。貸衣装店を選んだのは、メイクを教えてもらえるから。やっぱり、美容にはなにかしら関わっていたかったんです」

――3つ掛け持ちですか…。じゃあ、1年でお金はしっかり貯まった、と。
「それが…。学費は用意できたんですが、生活費までは貯められなくて。東京の美容学校に行くことを考えていたので、生活費も必要ですよね」

――でも、1年で専門学校へ通い始めたんですよね?
「高校を卒業して美容学校に行った人は20歳で卒業。でも、私はその時で23。年齢的に少しでも早くスタートしたいという気持ちが強かったので、『やっぱり新聞配達だ!』ってなりました」

――それについて、ご両親はなんて?
「何も(笑)。父は『やりたいようにやればいい』と言ってくれていましたが、母は『わざわざ苦労しないで普通に生活してほしい』って。資料を取り寄せても、黙って部屋に置いておかれるし、あまり相談はしませんでした。でも、家を出るときには、母が私のために貯金していたお金を出してきて、『いざとなったらこれを使いなさい』と言ってくれたんです。『美容師になるなら東京で』と言ってくれたのも母でした」

心配から反対の姿勢をとってきたご両親にも、仕事を掛け持ちして頑張る藤代さんの姿に、その気持ちの確かさは伝わったのでしょう。そっと応援する両親に送り出され、藤代さんは東京での暮らしを始めたのでした。
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